ボリビア高地の「自殺の家」 61メートル絶壁の端の住居
ラパス、ボリビア、12月20日 (AP) ― ボリビア最大の都市ラパス郊外の貧困街エル・アルトにある高さ約61メートルの断崖の端に、あたかもしがみつくように建つ長屋形式の家は、「自殺の家」と呼ばれている。 この地域は、スペイン人以前の時代から、アイマラ先住民にとって神聖な場所だった。 アイマラ族の呪術者が「母なる大地」を敬う儀式によく使うこれらの住居は、豪雨や気候変動による断崖の浸食でますます不安定になっている。 市当局は住民に危険が迫っていることを警告し、強制避難を検討しているといわれているが、危険にもかかわらず、シャーマンらは自分たちの霊的な供物が土地を安定させ、自分たちを守ってくれると信じて立ち去ろうとしない。 地質調査によると、この場所は岩盤ではなく、砂と粘土質の土壌であり、近年、気候変動により断崖の浸食が加速している。 ひと月前、大雨による土石流が近隣一帯を埋め尽くし、少女が1人死亡した。 このため市当局は、土砂崩れの危険があるとして、シャーマンらにこの地域からの立ち退きを通達した。 (日本語翻訳・編集 アフロ)