山口真弥（加藤学園）、小船翼（知徳）

　7月6日から一斉に試合が行われる夏の静岡大会。春季県大会を2年連続で制した加藤学園が一番手だ。後半に勝負強い粘りの野球に定評がある。 【トーナメント表】夏の静岡県大会　組み合わせ 　その加藤学園を春準優勝の静岡と、昨秋の県大会優勝・藤枝明誠や3位校で東海大会進出した日大三島、さらには、昨夏に甲子園初出場をはたした浜松開誠館や今春のベスト4・東海大静岡翔洋に静岡商、大型投手が注目されている知徳などが追いかけるという構図になりそうだ。 　はたして、加藤学園の初出場はあるのか、実力校が制するのか、伝統校が復活を示すのか、見どころは豊富である。参加は106チーム、シード校は16校。各シード校を中心にブロックごとの展望をしていこう。

静岡のブロックに静岡商、磐田東など実力校が揃う

　春準優勝の静岡は、準々決勝で静岡商との“伝統の一戦”が予想される。静岡は谷脇 健心投手（3年）が軸となる。180cm80kgと恵まれた体でキレのいいストレートには定評がある。昨秋は1番をつけていた中野 桜佑内野手(3年)も、準備万端。打線にもう一つパワーがないのが悩みか。昨夏、昨秋と初戦敗退しただけに、春の準優勝から勢いをつけたいところだ。4回戦ではシードの飛龍と浜松修学舎の勝者に当たりそうだ。 　静岡商には、磐田東が4回戦で待ち構えることになりそう。磐田東にはコーチとして健大高崎のセンバツ優勝に貢献した赤堀 佳敬監督が4月から就任。機動破壊のエッセンスも注ぎ込みながら、どんなチームを作り上げてくるのか楽しみだ。静岡商は3回戦で御殿場西戦が予想され、最初の壁となりそうだ。準々決勝で静岡との対決が実現すれば、古くからの高校野球ファンが草薙球場に詰めかけることになるだろう。

藤枝明誠はプロ注右腕擁す知徳と4回戦でぶつかる可能性

　昨秋の優勝校・藤枝明誠と昨夏の優勝校・浜松開誠館が入ったゾーンは混戦必至。藤枝明誠が勝ち上がって行けば、4回戦はドラフト候補で198cmの大型投手・小船 翼投手（3年）を擁する知徳と当たりそうだ。小船は今春に目標だった150キロを突破し、高卒プロ入りを狙っている。 　藤枝明誠は突出した選手がいるわけではなく、光岡 孝監督も「無駄な塁と無駄な得点を与えないことを徹底している」と言うように、堅実な守りのチーム。特に皆川 晧也捕手(3年)のインサイドワークは光る。ここゾーンには富士、浜名、三島北などもいる。 　連覇を狙う浜松開誠館は序盤から厳しい組み合わせとなった。初戦は昨春のセンバツ出場校・常葉大菊川と静岡学園の勝者。そこを越えると三島南が待つ形となりそう。シードの川根・聖隷クリストファー・島田商の勝ち上がりとなる4回戦の相手も厳しそうだ。藤枝明誠との昨秋決勝の再現にはハードルがあるが、昨夏甲子園を経験した加藤 蔵之介投手（3年）や大迫 翔輔捕手(3年)らがチームを引っ張っていく。この山を越えていけば、勢いで連覇もあり得るだろう。