春連覇した加藤学園は悲願達成を狙う！ 静岡、日大三島、藤枝明誠、プロ注右腕・小船を擁する知徳らが行く手を阻む!?【2024夏・静岡大会展望】
春ベスト4・東海大静岡翔洋の名将就任3年目に期待
反対ゾーンを見てみよう。東海大静岡翔洋と日大三島のブロックでは、やはりシードのこの両校が中心だ。昨夏の準優勝校・東海大静岡翔洋は、東海大浦安で甲子園準優勝の実績のある森下 倫明監督が東海大福岡から移ってきて3年目。今春は常葉大菊川、知徳、浜松工と力のあるところを下してのベスト4入りをはたした。着実に結果を残してきている。準々決勝までに当たりそうな実力校は、近藤 秀太投手（3年）の評価が高い進学校の沼津東、静岡県の“暴れん坊的存在”のオイスカ浜松国際、初戦の好カード富士市立と静清の勝者と当たるシードの駿河総合あたりか。 日大三島は4回戦ではシードの掛川西とぶつかりそうだ。毎年夏までに好チームを作り上げてくる掛川西。例年に比べると、やや粒は小さいが、大石 卓哉監督は髙橋 郁真投手(3年)と堀口 泰徳捕手(3年)のバッテリーを中心としたチームで上位進出を狙う。山下 陸人内野手(3年)も俊足好打に好守と三拍子そろった好選手だ。日大三島は、昨秋県3位校として東海大会に進出。今春は準々決勝で静岡に敗れたものの、左腕・関野 巧真投手（3年）を中心としたチームの安定感は県一番といってもいい。
加藤学園、初の聖地に“機は熟した”
春の県大会で2年連続優勝をはたした加藤学園のブロックには、ベスト8のシード校・浜松工と伝統の浜松商に常葉大橘がシードとして入っている。加藤学園は終盤の粘り強さに定評があるが、今春もその粘りを発揮して接戦をものにしていった。東海大会では優勝した中京大中京に敗れはしたものの、0対1。小澤 亨彦投手（3年）はじめ森 虎大朗投手(3年)、山田 晃太郎投手（2年）と左腕・山口 真弥投手（3年）と、投手の駒は多い。この層の厚さを活かして継投で乗り切っていく。コロナで中止となった2020年に交流試合で甲子園の土を踏んでいるが、悲願の夏の初出場の機は熟したと言えそうだ。 平成20年代に3度、甲子園出場をはたしている常葉大橘。今春は3回戦で浜松工に競り負けたが、毎年好チームで安定した戦いぶりを示している。ここのゾーンでは桐陽もチーム力はある。 4回戦でシード校同士の浜松工と浜松商の対戦が実現すれば、浜松球場で行われるだけに盛り上がりそうだ。浜松工は昨秋、今春ともにベスト8に進出しており今季の実績は安定している。勢いに乗れば面白い存在となりそうだ。 (文／手束 仁)
