「辛くないカレー」グランプリに、味の決め手の一つはあの果汁…学生が開発したオリジナルで人気競う
大阪府と兵庫県の大学・短大の学生が開発したオリジナルカレーの人気を競う「宝塚カレーグランプリ」で、大阪城南女子短大(大阪市東住吉区)現代生活学科の2年生4人が出品した「トロッピーカレー」がグランプリに輝いた。4人は「お客さんに思いが伝わったのが、何よりうれしい」と喜ぶ。 【写真】グランプリ受賞作「トロッピーカレー」(大阪城南女子短大提供)
イベントは、宝塚阪急(兵庫県宝塚市)などが企画し、4回目の今年は9校が参加した。8月21~26日に各校の学生が2日間ずつ店頭に立ち、レトルトパックと、アレンジを加えて弁当に仕立てたものを販売し、売上高を競った。
同短大の4人は調理師を目指し、調理製菓デザインコースで学んできた。自分たちが辛いものは苦手なため、「家族みんなで食べられる」をテーマに子供や高齢者など幅広い年代が食べられる「辛くないカレー」を目指した。
具材を細かく刻み、野菜嫌いでも食べやすいキーマカレーだが、1食分180グラムのうち、肉が100グラム以上を占め、食べ応え十分だ。
味の決め手は、臭みを取って後味をさわやかにするために加えたパイナップルジュースと、レシピ開発などでコラボしてきた「村田味噌」(大阪市平野区)の赤みそ。まろやかなこくと甘みにつながった。
学内で行った試食会では「辛さが足りない」との指摘もあった。しかし、今村 瑠月(るびい)さん(19)は「コンセプトを貫きたかった」と、スパイスを足すことはあえてしなかった。
弁当は、サフランライスにコーンを混ぜ込んで甘さを加え、夏野菜をのせて夏らしさを演出した。平岡璃華さん(20)は「初日に弁当を購入した方が『辛いのが苦手な娘にも食べさせたい』と、再度買いに来てくれたのはうれしかった」と話す。
初出場ながら、こく深く優しい味わいが好評で、2日間の売り上げは100万円を超えた。4人は「やりきった充実感で満足していたので、結果にびっくり」と顔を見合わせた。 同短大は来春に共学化し、大阪総合保育大短期大学部に改称される。「後輩たちには、新たな気持ちで挑戦してほしい」とエールを送る。