勢力図が大幅変化!カワサキがランキング首位に | FIM スーパーバイク世界選手権 2024 第2戦 カタルーニャ プレビュー
波乱の要素2つ目はトップライダーの大型移籍が相次いだことによる勢力図の変化です。ジョナサン・レイがカワサキからヤマハに移籍。トプラク・ラズガットリオグルがカワサキからヤマハに移籍。そしてアクセル・バサーニもドゥカティからカワサキへと移籍しました。
移籍の後は新しい相棒(バイク)に慣れるまでに苦労するのが付き物ですが、特に苦戦したのはジョナサン・レイ(ヤマハ)でした。テストから上位に食い込んでこなかったレイでしたが、なんとまさかの3レース連続のノーポイントで終わるという結果に。チームメイトのアンドレア・ロカテッリ(ヤマハ)が優勝争いを展開して2位が2回という結果を残しましたから、レイの苦戦はかなり深刻です。
トプラク・ラズガットリオグル(BMW)もテストから好調でしたが、決勝レースでは苦戦し、表彰台はスーパーポールの3位だけ。彼の速さが光り輝くにはもう少し時間が必要かもしれないという況が見えました。
波乱の要素3つ目はスーパールーキーたちの登場です。フィリップアイランドで最も光り輝いたのは昨年の「スーパースポーツ世界選手権」の王者、ニッコロ・ブレガ(ドゥカティ)です。レース1ではなんとWSBKのデビューウインを達成するという快挙を成し遂げました。
そしてもう一人はルーキーとは言えない実力の持ち主、元MotoGPライダー、アンドレア・イアンノーネ(ドゥカティ)。レース1ではフロントローからホールショットを奪うなど活躍し、3位フィニッシュ。ワークスチームではない環境であるにも関わらず、今季の怖い存在になること間違いなしの実力を見せたのです。
開幕前から話題の多い2024年シーズンでしたが、あーでもない、こーでもないという予想は見事に覆った開幕戦でした。最も大きなサプライズはベテラン、アレックス・ロウズ(カワサキ)の復活でしょう。これまでジョナサン・レイ(現ヤマハ)の影に隠れ、いつ何時カワサキのシートを失ってもおかしくないくらいにレイに差をつけられていたロウズがスーパーポール、レース2と勝利するとは誰が予想できたでしょうか。レイの抜けた穴は大きく、かつての輝きを失ったかに見られていたカワサキに明るい光が差した開幕戦でした。