千葉ロッテマリーンズ・小川龍成選手、鍛え続けたセーフティバントで「スカパー!サヨナラ賞」を初受賞
パ・リーグ 千葉ロッテマリーンズ 小川龍成選手が、7月度の「スカパー!サヨナラ賞」を受賞した。この賞は、その月の全サヨナラ試合の中で、最も劇的なサヨナラ打を放った選手を称えたもの。 【写真を見る】サヨナラセーフティバントを打った直後の小川龍成選手 小川選手は、7月30日ZOZOマリンスタジアムで行われた対埼玉西武12回戦、6対6の同点で迎えた9回裏、二死満塁の場面で、三塁へ意表を突くセーフティバントを敢行し、見事なサヨナラ適時内野安打を決めた。 この試合、千葉ロッテは1回裏、藤岡選手の適時打、ポランコ選手の2点本塁打で3点を先制するも、直後の2回に同点に追いつかれてしまう。7回表に勝ち越しを許すと、8回表にも追加点を奪われ、点差は2点に広がってしまった。迎えた8回裏、ソト選手の本塁打で1点差にせまると、二死満塁から、藤原選手の二塁への適時打等で、この回3点を奪って逆転に成功する。勝負は決まったかに思われたが、9回表に再び追いつかれ、6対6の同点で9回裏を迎えた。ソト選手の安打、髙部選手の粘りの四球などで二死満塁の好機を作り、打席に入ったのは8回裏に代走から途中出場していた小川選手。初球、埼玉西武の守護神・アブレイユ投手が投球モーションに入ると、小川選手はバントの構えを取る。誰もが意表を突かれた中で、三塁側に見事なバントを決めると、自慢の快速を飛ばし、サヨナラ適時内野安打をもぎ取った。 自身初となるサヨナラ打で、取っては取られてのシーソーゲームを制し、チームの月間勝ち越しを決めた。 ――今回の「スカパー!サヨナラ賞」受賞の感想をお願いします 「こういった賞をいただけて本当に嬉しいです」 ――改めて、サヨナラ賞を受賞したプレーを振り返ってみていかがですか? 「場面がツーアウト満塁だったので、自分の持ち味をしっかり出していこうということで、サードの守備位置を見てセーフティバントで勝負できるなと思い、何とか1点取って勝ちたいなという気持ちがあったので、結果としてすごく良かったと思います」 ――セーフティーバントでサヨナラ打という非常に珍しい受賞となりましたが... 「どの場面でも自分のやるべきことは変わらないなというのはすごく意識してるので、ああいった場面でも冷静に自分のできることをしっかり考えて、それを結果に出せたのはすごく良かったと思います」 ――サヨナラ打という試合を決める一打を打つっていう気持ちは? 「もちろん僕が打って点取れば勝ちっていう場面だったので、そういう気持ちもあったのですが、そういう気持ちが強すぎると、力みに繋がると思ったので、自分のできることだけをやろうというふうに打席に立ちました」 ――今シーズンは小川選手とって飛躍の年になってる感じがありますが、振り返ってみてどう感じていますか? 「本当に3年間全然結果が出なかったので今年本当に覚悟を持って、臨んだシーズンだったのですが、そういったところで自分の役割だったり持ち味っていうのも見つけられましたし、そういうのが結果として試合に出てるので、それはすごくいいかなと思います」 ――終盤戦に入っていきますが、上位争い向けての意気込みは? 「本当に一試合一試合を集中して、ファンの皆様に勝ちを届けられるように頑張っていきたいなと思います」 ――ずっと何年もコツコツ重ねてきたことがこういう形で評価されて受賞となったときのお気持ちは? 「本当にバントの方はすごく自信がないところだったので、そこは本当に1年目から毎日毎日上手くなるように練習してましたし、それがこういった大事な場面で良い形として結果に出たのはすごく自信にもなりました。毎日やっていて良かったなと思います」 ――あの場面は満塁だったので、三塁走者がバックホームでアウトになる可能性もありましたが、その辺り三塁走者との意思疎通はどのようにして取りましたか? 「もちろんホームに投げてアウトっていう場面だったので、そこも少し頭に入れていたのですが、本当に何回かシーズン中も三塁打ったり、満塁の場面でもセーフティをやっていた場面があったと思うので。そこは考えて大塚さんが三塁ランナーの方に言ってくださったので、あとは大塚コーチだったり三塁ランナーの方を見ながら会話してたら、僕の場面だったらセーフティであるんじゃないかという話になって、そこは思い切ってやりました」 ――チームメイトから試合後に何か言われましたか? 「トシさんから、大塚さんにもしかしたらセーフティするぞっていうのを言われたからっていうのは言われたので。はい。そこは自分も思ってる通り話してくださったのでよかったかなと思います」 ――好きな球場を教えてください 「マリンスタジアムはもちろんなんですけど、神宮球場が大学の時にリーグ戦で良く使う球場で今年も交流戦で試合に出れてしっかり活躍できたのですごく好きな球場です」 ――神宮球場に行くと、当時の事を思い出したりしますか? 「懐かしい気持ちになりますね(笑)」 ――やってみたい他のポジションはありますか? 「ピッチャーをやりたいです。一番目立つポジションですし、野球と言ったらピッチャーが一番主役みたいな感じなので、ピッチャーをやりたいなと思っています」 ――ピッチャーを目指していた時期はありますか? 「小学校の時はずっとやっていたんですけど、中学校上がる時にクビになりまして(笑)。そこからは内野手でずっとやっています」 ――サヨナラにまつわるエピソードが何かあれば教えてください 「2013年の夏の甲子園の前橋育英と常総学院の試合です。僕は中学3年生で兄がその試合に出ていたんですけど、9回裏でツーアウトで兄の打席が回ってきて、ゴテゴテのセカンドゴロで『あ、終わったな...』と思ったんですけど、セカンドがエラーをしてそこから同点に追いついて、延長でサヨナラっていう試合が、観ていてすごく興奮しました」 ――最後に、ファンの皆さんへ向けて一言お願いします 「本当に毎日大きな声援いただいて、すごく力になって、こういった賞も受賞できますし、本当に日頃からの応援はすごく力になってます。ありがとうございます」 ※月間スカパー!サヨナラ賞とは 月間を通じて最もインパクトのあるサヨナラ打等を放った選手に贈られる賞として2012年に制定。「試合終了最後の1球まで真剣勝負をお届けするスカパー!」から多くのファンに、プロ野球中継最大の魅力を伝えることができ、それがプロ野球界発展の一助となると考え、本賞へ協賛。 文=HOMINIS編集部
HOMINIS
【関連記事】
- VfBシュトゥットガルト・セバスティアン・ヘーネス監督、サンフレッチェ広島・ミヒャエル・スキッベ監督が広島での激闘を振り返る。Jリーグインターナショナルシリーズ2024 powered by docomo
- 京都サンガF.C.・曺 貴裁監督、VfBシュトゥットガルト・セバスティアン・ヘーネス監督が激闘を振り返る。Jリーグインターナショナルシリーズ2024 powered by docomo
- 真中満、高山俊(オイシックス新潟アルビレックスBC)に9年越しの謝罪!?
- 世界での経験を経て、長谷部誠がJリーグへ対する印象とは?「みんなでやっていけたら、すごく明るい未来が待っているんじゃないかな」
- ファンが待ってた劇的サヨナラ打!読売ジャイアンツ・丸佳浩選手が「スカパー!サヨナラ賞」を受賞