メッツかフィリーズか…トラウト移籍にいよいよ現実味、エンゼルスがいま考えていること
エンゼルスの再建策
4月25日現在、トラウトは打率2割3分7厘、 出塁率3割2分1厘、本塁打10本、盗塁5と好調を維持している。エンゼルスにとっては久しぶりの朗報だ。 これだけ活躍しているにもかかわらず、トレード話が報じられるというのは、少なくとも日本の野球ファンには理解しにくい。おまけにトラウトとエンゼルスの契約は2030年まで結ばれている。もし契約の途中でトレードに出されると、移籍先での年俸の一部を負担するというルールがあるという。 「たとえ今季のトラウトが好調を維持していても、また、他チームに移籍すると年俸の一部を負担する必要があるにしても、とにかくエンゼルスはトラウトの放出を考えているのは間違いありません。なぜならMLBにおけるチーム再建は、ベテランの有名選手や高額年俸のスター選手は他球団に移ってもらい、若手中心のチームに作り替えるのがセオリーだからです。今年からエンゼルスの指揮はロン・ワシントン監督が執ることになりました。これは『新監督が若手中心のチームを指揮し、何より育成に力を入れる』という再建策がすでにスタートしていることを意味します」(同・友成氏) とはいっても、トラウトの意向を無視するわけにもいかない。一部の報道によると、エンゼルスとトラウトの契約には「トレード拒否権」の条項が含まれているという。
魅力的な2チーム
友成氏は「ファンサイデッドの報じた2チームなら、トラウトもトレードに同意する可能性があります」と指摘する。 「トラウトの故郷はニュージャージー州のバインランドで、ここはフィリーズの本拠地であるフィラデ ルフィアに近いのです。彼は1991年8月生まれの32歳ですから、いよいよ引退が現実味を帯びてきました。日本でもアメリカでも、故郷に近いチームで引退を迎えたいという選手は少なくありません。東海岸に帰れるというオファーに彼が魅力を感じる可能性は高く、トラウトがフィリーズに移籍することは充分に考えられます」(同・友成氏) 地図を見れば一目瞭然だが、トラウトの故郷からはメッツの本拠地であるニューヨークも近い。観光サイトなどを見ると「ニューヨークからバインランドまでは車で2時間」と紹介されている。 「メッツの場合はトラウトの故郷に近いだけでなく、今季はスタートダッシュに成功したことからポストシーズン進出が早くも現実味を帯びています。さらにメッツは大砲が少なく、唯一と言っていいパワーヒッターのピート・アロンゾは首脳陣との不仲が原因で移籍は確実でしょう。メッツは資金力が豊富ですし、ホームランバッターを必要としています。トラウトとメッツは“相思相愛”になる可能性があるため、近日中にトレードが発表されたとしても不思議はないと考えています」(同・友成氏)
デイリー新潮編集部
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