国立科学博物館に“約9億円”集まる なぜ資金難に…窮地に立たされた“大きな2つのダメージ” 【#みんなのギモン】
日テレNEWS NNN
6日のギモンは「博物館に9億円 資金難なぜ?」です。
東京・上野にある国立科学博物館が資金調達のために行っていたクラウドファンディングが、大きく目標の額を上回る結果となりました。当初の目標金額は1億円でしたが、これまでに集まった支援は9億1588万5000円となりました。支援者は5万6574人です。(午後4時時点)。8月7日に始めてから11月5日に終了するまでの約3か月で相当な数の支援が集まりました。 運用会社によると、国内のクラウドファンディングとしては、金額・支援者数ともに過去最多だそうです。 この結果を博物館はどう受け止めているのか。6日の会見で国立科学博物館の篠田謙一館長は「『おまえたち頑張れ』という形で、世間のみなさんの声が直接聞けた。その部分で、みんなポジティブな形で先に仕事を進めていけるんだろうと」と話していました。 ◇9億円の“使い道” ◇“寄付頼み” 国の支援は?
■光熱費が約2倍に…エアコン使わず、半袖・半ズボンで節約を徹底
そもそも、国立科学博物館がどうして資金調達をしなければならないほど窮地に立たされたのか、その経緯をふりかえります。 大きなダメージは2つありました。1つめはコロナ禍で入館料収入が減少したことがあります。2019年度には約7.5億円でしたが、コロナ禍で休館が続いたことなども影響して、2020年度は約1.5億円まで減ってしまいました。 昨年度には6.5億円まで回復したものの、非常にタイミングの悪いことに2つめのダメージがありました。それがエネルギー価格の高騰です。2021年度に約2億円だった光熱費が、今年度の見込みでは3億8000万円ほどまで膨らむそうです。2年の間に倍近くになってしまいました。 9月に取材した時、国立科学博物館の研究施設では、本当に徹底した節電が行われていました。まず、剥製を保管する部屋の室温は、本当は22℃くらいが理想ですが、24℃未満くらいと妥協できるぎりぎりで管理されていました。 そして、研究室では来客時以外エアコンをつけないため、職員は扇風機を使い、半袖・半ズボン姿で仕事をしていました。エレベーターはなるべく使わないなど、涙ぐましい努力をされていました。 こうした努力をしてクラウドファンディングを行った結果、9億円を超える資金を集めることができました。