ロケット弾が飛んでくる地域で暮らし続けるか、平和に暮らせる別の国に移り住むか 戦闘に直面したイスラエル在住日本人女性たちの葛藤
ロンドンではパレスチナを支持するデモが頻発しており「イスラエルからの避難者が、憎悪の標的になるのではないか、という不安が耐えなかった」。11月中旬、夫は仕事の都合で英国からイスラエルへ戻り、知子さんは日本に一時帰国した。「地元に着いて一息付けた。でも、イスラエルでは夫や陶芸教室の生徒たちが自分を待っている」。日本の家族の元でしばらく休息し、11月下旬にイスラエルに戻った。 今回の事態を受け「今後もイスラエルに住み続けるか、平和に暮らせる別の国を探した方が良いのか、真剣に考えるようになった」と心境の変化を語る。一方で、イスラエル国内ではパレスチナに強硬姿勢を取る保守勢力が近年強まっており「自分たちのようなリベラル派が国を離れたら、その傾向に拍車がかかり、さらに分断が深まってしまう」と憂う。 ハマスとイスラエルの衝突をきっかけに、これまで良好な関係を築いていたパレスチナ人の友人の中にも、ユダヤ人との共存を否定する考えを持つ人がいることを知った。「戸惑うと同時に、歴史問題の複雑さや分断の深さを実感している」。これ以上の犠牲を出さないためには「復讐の連鎖を終わりにして互いの立場を尊重するほかない」。両者にそう分かってほしいと願っている。