NY市場サマリー(5日)ユーロ上昇、10年債利回り低下 株反落
<為替> ユーロが上昇した。フランス国債利回りが安定したことが買い材料視された。暗号資産(仮想通貨)のビットコインは10万ドルを突破し、過去最高値を更新した。 フランスのマクロン大統領は5日、国民に向けて行った演説で、4日に不信任決議案が可決されたバルニエ首相の後任を「数日以内」に指名するとした。 FXコンサルティング会社、クラリティFXのエグゼクティブ・ディレクター、アモ・サホタ氏は「市場は仏政権崩壊の財政的影響を見極めようとしている。当初考えられていたほど予算案の可決に影響を及ぼさないという見方が強まり、ユーロを支えている」と述べた。 ただ、ユーロ圏の2大経済大国であるフランスとドイツの双方で政府が苦境に立たされていることを背景に、アナリストはユーロに懸念を示し見通しを引き下げているとも指摘した。 ユーロ/ドルは0.6%高の1.0567ドル。11月末には2年ぶりの安値1.0332ドルを付けていた。 トレーダーらは、欧州中央銀行(ECB)が来週の理事会で利下げを決定することはほぼ確実とみており、2025年末までに157ベーシスポイント(bp)程度の緩和を織り込んでいる。 ビットコインは一時、史上最高値となる10万3649ドルまで上昇した。終盤は1.3%高の9万9147ドル。年初来の上昇率は130%を超えた。 円は対ドルで0.4%上昇の150.01円となった。アナリストらは、通常はハト派とされる日銀の中村豊明審議委員が5日の記者会見で「利上げに反対しているわけではない」と述べたことが材料視されたと指摘した。 ドル指数は0.6%安の105.74となった。 NY外為市場:[USD/J] <債券> 10年債利回りが低下する一方、2年債利回りは上昇した。6日発表の雇用統計に注目が集まっている。 金利見通しに敏感な2年国債利回りは2.7bp上昇して4.148%となった。指標となる10年債利回りは当初上昇していたが、新規失業保険申請件数の発表を受け終盤では0.6bp低下の4.176%となった。 市場では、今月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で25bp追加利下げが行われる可能性がわずかに低下した。CMEのフェドウオッチによると、その可能性は70%。前日終盤は75%だった。 米労働省が5日発表した11月30日までの1週間の新規失業保険申請件数(季節調整済み)は、前週比9000件増の22万4000件となった。エコノミスト予想は21万5000件だった。 アルビオン・ファイナンシャル・グループのチーフエコノミスト、ジェイソン・ウェア氏は「失業保険申請件数の増加は大したことではない。直近で9000件増加したとしても、申請件数は依然として非常に低い水準にある」と述べた。 市場は6日に発表される非農業部門雇用者数など、雇用市場のより明確な状況を示すデータに焦点を移しつつある。12月17─18日のFOMC前に、来週には消費者物価指数(CPI)や生産者物価指数(PPI)など、市場が重要視する指標が発表される。 アルビオンのウェア氏は、現時点では労働市場のデータがインフレデータよりも米連邦準備理事会(FRB)の決定により重要だとみている。 物価連動国債(TIPS)と通常の国債の利回り差で、期待インフレを示すブレーク・イーブン・インフレ率(BEI)は10年物が2.271%。 米金融・債券市場:[US/BJ] <株式> 反落した。6日発表の米雇用統計に注目が集まっている。米医療保険最大手ユナイテッドヘルス・グループが大幅下落したほか、テクノロジー株が軟調だった。 主要3株価指数は前日に最高値を更新していた。 半導体設計支援ソフトウエアを手がけるシノプシスは業績見通しが嫌気されて12.4%下落した。 ユナイテッドヘルス・グループは5.2%安となり、ダウとS&P総合500種を圧迫した。保険のシグナも2.3%下落した。ユナイテッドヘルスは、保険部門の幹部が4日朝、ニューヨーク・マンハッタンのホテル近くで胸部を撃たれ、死亡した。 ロイター調査によると、11月の米雇用統計では非農業部門雇用者数が20万人増加したと予想されている。 米労働省がこの日発表した11月30日までの1週間の新規失業保険申請件数(季節調整済み)は、前週比9000件増の22万4000件となった。エコノミスト予想は21万5000件だった。 パウエルFRB議長は4日、米経済は9月に利下げを開始した当初よりも力強く推移しているため、FRBはさらなる利下げに慎重になる可能性があると述べた。 市場では今月の25bp利下げが約70%織り込まれている。 暗号資産(仮想通貨)やブロックチェーン関連株は勢いを失った。代表的な仮想通貨ビットコインの価格は初めて10万ドルの大台に乗せた。仮想通貨への投資で知られるマイクロストラテジーは4.8%下落した。 米国株式市場:[.NJP] <金先物> 米長期金利の一時上昇を背景に、3営業日ぶりに反落した。中心限月2月物の清算値(終値に相当)は前日比27.80ドル(1.04%)安の1オンス=2648.40ドル。この日は米長期金利の指標となる10年物利回りが上昇。金利を生まない資産である金 は売り圧力にさらされた。 NY貴金属:[GOL/XJ] <米原油先物> 石油輸出国機構(OPEC)主導による協調減産方針の延長決定を受けた買いが先行したものの、供給過剰への根強い懸念が重しとなり、続落した。米国産標準油種WTIの中心限月1月物の清算値(終値に相当)は、前日比0.24ドル(0.35%)安の1バレル=68.30ドル。2月物は0.23ドル安の67.96ドルだった。 OPEC加盟・非加盟の産油国で構成する「OPECプラス」は5日、オンラインで閣僚級会合を開き、協調減産を2026年末まで1年延長することで合意した。サウジアラビアなど8カ国による追加の自主減産は25年3月まで現状の削減量を維持することを決定。25年4月から26年9月にかけて段階的に削減量を縮小する方針とした。中国をはじめとする世界的なエネルギー需要低迷への警戒感や、OPECプラス以外の産油国の増産により供給過剰に陥るとの懸念を背景に、原油価格は下押しされている。こうした中、主要産油国が供給の調整により相場を下支えする決定を受け、市場では買い安心感が台頭。対ユーロでのドル軟化に伴うドル建て商品の割安感も支援要因となり、相場は朝方、69ドル台で堅調に推移した。 ただ、取引中盤で買いの勢いは失速し、利益確定の売りと安値拾いの買いが交錯する展開となった。国際エネルギー機関(IEA)が前月中旬に公表した月報では、OPECプラスの減産継続にもかかわらず、25年は世界的に石油の供給過剰に陥るとの見通しが示されている。 NYMEXエネルギー:[CR/USJ] ドル/円 NY終値 150.08/150. 13 始値 150.14 高値 150.69 安値 149.93 ユーロ/ドル NY終値 1.0586/1.05 88 始値 1.0535 高値 1.0589 安値 1.0525 米東部時間 30年債(指標銘柄) 17時05分 102*24. 4.3341 50 % 前営業日終値 102*16. 4.3490 50 % 10年債(指標銘柄) 17時04分 100*18. 4.1781 50 % 前営業日終値 100*17. 4.1820 50 % 5年債(指標銘柄) 17時05分 100*07. 4.0759 00 % 前営業日終値 100*08. 4.0640 75 % 2年債(指標銘柄) 17時05分 100*06. 4.1440 38 % 前営業日終値 100*07. 4.1210 75 % 終値 前日比 % ダウ工業株30種 44765.71 -248.33 -0.55 前営業日終値 45014.04 ナスダック総合 19700.26 -34.86 -0.18 前営業日終値 19735.12 S&P総合500種 6075.11 -11.38 -0.19 前営業日終値 6086.49 COMEX金 2月限 2648.4 ‐27.8 前営業日終値 2676.2 COMEX銀 3月限 3153.6 ‐37.9 前営業日終値 3191.5 北海ブレント 2月限 72.09 ‐0.22 前営業日終値 72.31 米WTI先物 1月限 68.30 ‐0.24 前営業日終値 68.54 CRB商品指数 286.4299 +1.0778 前営業日終値 285.3521