博報堂とタカラトミー「100年人生ゲーム」開発 疑似体験で長寿社会を前向きに生きよう
博報堂のシンクタンク「100年生活者研究所」とタカラトミーは、人気ボードゲーム「人生ゲーム」の新商品「100年人生ゲーム」を共同開発した。少子高齢化が急速に進む中、ゲームで「幸せな100年人生」を疑似体験し、人生の幸福なできごとに注目する力(幸福注目力)を高めることが狙い。人生と仕事を振り返るタイミングでもある勤労感謝の日の23日に発売する。 【写真】勝敗のカギを握る14種類の価値観カード 100年人生ゲームは、お金を集めて億万長者を目指す通常の人生ゲームと違い、幸福を点数化した「ウェルビーイングポイント(ウェルポ)」をゴールの「100歳の誕生日」までに最も多く集めたプレーヤーの勝利となる。 20歳と60歳の誕生日のマスでは、健康を重視する「健康マニア」や仕事の成功を第一に考える「情熱ワーカー」など、プレーヤーの価値観を表す14種類の「価値観カード」から1枚を選択。その後のゲームでは、引いたカードによって同じマスに止まっても獲得できたり、喪失したりするウェルポが異なる。 ■「長生きに悲観的な日本人」 ゲームのマスやカードのエピソードは、東京・巣鴨にある研究所の活動拠点「100年生活カフェ かたりば」の来店者へのヒアリングやアンケートで得られた実際の体験談に基づいて作成。他人の体験を知ることで「自分の人生に起きるかもしれない幸せな体験」を考え、100年人生のポジティブな面に注目してもらう。 100年人生ゲームの開発は、研究所が3月20日の「国際幸福デー」に合わせて日本と米国、中国など海外5カ国で、20~80代の男女計約5600人を対象に実施した「100年時代に関する意識調査」などで、日本人は長生きに対して悲観的という結果が出たことがきっかけだ。 調査で「生きたい年齢(希望寿命)」について聞いたところ、他国は世界保健機関(WHO)が公表している平均寿命と比べて5~15年長かったのに対し、日本だけ希望寿命が81・1歳と平均寿命を3・2歳下回った。 ■長寿で起こりうる体験を知る