仕事や人生で悩んだら「ストレス」を天秤にかける…岩井勇気に聞いた悩み解決のヒント
「手ぬぐいピシッ」を「小さな幸せ」とは言わせない
――とはいえ、岩井さんがお仕事をしている芸能界は「発信だらけ」だと思うのですが、飲まれそうになったりしませんか? 岩井:芸能界って“養殖”のエピソードばかりじゃないですか。人工的というか。そういうのはあまり好きじゃなくて、何かを話のタネにしようと思ってとかエピソードにしようと思って行動するのが好きではないので、そこは客観的にというか一歩引いて見ています。 「充実した人生」というのも他人の基準で言っているだけだし、その基準は何? 誰の基準? って思っちゃうんです。さっきの「手ぬぐいピシッ」だって「小さな幸せ」と他人は言うかもしれない。言うかもしれないけれど、「別に自分の中では小さいって思っていないけど」みたいな。何と比べて小さいんだ? って。ずっと他人と比べてたらどうですか? って思っちゃうんです。
悩んだら、ストレスを天秤にかける
――ストレスについても伺いたいです。現役世代の人たちは「仕事がしんどい」「忙しすぎて休日は寝て終わり」と悩んでいる人も多いです。忙しすぎて自分のやりたいことができないとき、ストレスの解消法についてお聞かせください。 岩井:僕は相談に乗るのが向いてないのですが、僕はストレスを天秤にかけているんです。 ――どういうことでしょうか? 岩井:プラスを天秤にかけているのではなくて、マイナスを天秤にかけているんです。忙しいじゃないですか、毎日。忙しいと心の余裕が失われていく。そのストレスと仕事を変えるストレスを天秤にかけるんです。 今の仕事で得られるのはお金ですよね? それがなくなるストレスと、忙しくて心の余裕が失われていくストレスを天秤にかけるんです。それで心の余裕がなくなるストレスのほうがしんどかったら、仕事を見直すとか転職を考えるほうがいいのかもしれない。 でも、こういう答え方をすると「そういう言葉が欲しいんじゃない」って言われるんですけれどね(笑)。 ――すごくわかりやすいなと思いましたけれどね。 岩井:僕も中には気が進まない仕事がきたときに、「嫌な仕事だと思って、これをやることのストレス」と「その仕事をやらなかったことで発生するストレス」を天秤にかけています。 普通は皆さん、プラスを天秤にかけることが多いと思うのですが、マイナスを天秤にかけたほうがわかりやすい気がするんですよね。やらない選択肢って、やることによって発生したストレスを回避できるように思うかもしれないですが、やらないことで発生するストレスというのも確実にあるので、それをちゃんと考えて天秤にかけたほうがいいのかなと思います。 THE GOLD 60編集部