ダニエル太郎が日本男子テニスにもたらした可能性
3日間テレビ解説もしていた松岡修造さんは、ダニエルの魅力をこう分析してくれた。 「日本とアメリカとスペイン、この3つの精神文化を全て兼ね備えている。日本の勤勉さ、アメリカの自立性、ラテンの明るさ……メンタル的には申し分ない。テニス面では、アメリカ的な積極性がもっと加わればトップ100、トップ50へと上がっていける。特にフォアハンド、そして長身を生かせるサーブはまだ伸びしろが大きいと思います」 まだまだ課題は多いが、ダニエルを指導しているのは世界4位のダビド・フェレールを見ているのと同じコーチであり、抜かりはないと信じたい。ちなみにフェレールは、拠点とするクラブが同じで、練習もプライベートも頻繁にともにする兄貴分だ。早い年代からトッププレーヤーと間近で接した経験は、錦織もそうだったように大翁財産になる。 さて、ここからは得意のクレーシーズンへと本格的に突入する。1ケ月半後の全仏オープンでの予選突破が今一番の目標だ。グランドスラム・デビューの日はもうそこまできているに違いない。 (文責・山口奈緒美/テニスライター)