マーケターとして成長したいなら、プロジェクトマネジメントを学ぶべき3つの理由とは?
マーケターにプロジェクトマネジメント能力が重要な理由
改めて、マーケターにとってプロジェクトマネジメント力が重要な理由を考えてみましょう。私は、大きくは3つの理由があると考えています。 ■ (1)不確実性をマネジメントして、目標を目指す必要があるから マーケティングには、売上アップや商談獲得といった目標があります。そして、その目標を達成するためのKPIがあり、KPIを達成するために施策に取り組んでいます。 一方で、マーケティング施策を実行し、目標を目指すうえでは、さまざまな要因が影響してきます。社会や市場の変化、競合他社の動きといった外部要因もあれば、社内方針の変更、予算の増減、メンバーの異動といった内部要因もあるでしょう。 特に外的要因は不確実性が高く、事前には予想もできないことが多いはず。実際、2020年の新型コロナウイルスの感染拡大は、ビジネスにも大きな影響を及ぼしました。 そうすると、どれだけ綿密に計画を立てていても、軌道修正せざるを得ないことがあります。そこでマーケターに求められるのは、その場その場で現状を分析し、いま何にフォーカスすべきかを見定める能力なのではないかと思っています。 ■ (2)限りあるリソースを最適に管理する必要があるから もし仮に膨大な予算があり、豊富な人材がいるなら、事前に深く考えなくてもプロジェクトの遂行には問題ありません。しかし、たいていの場合はマーケティングに対する予算や稼働できる人数は限られています。 すると、限られた人や予算をどのように使うかがポイントになります。社内の人間だけで内製するのか、外部のパートナーに支援してもらうのか。新たにツールを導入するのか、現在のツールでやってみるのか。こういった判断が数多く存在します。 また手持ちのリソースだけで本当に目標が達成できるかも考えなくてはいけません。場合によっては、追加予算や増員をクライアントやプロジェクト責任者、経営者と交渉することが必要かもしれません。 だからこそ、目標を達成するために、どれだけリソースが必要か見積もり、最大限成果を出せるように使うスキルが求められるのではないかと思っています。 ■ (3)多様なタスクとステークホルダーとの調整があるから そもそもマーケティングの業務は、非常に広範囲に及びます。たとえば、Webサイト制作とSNS運用、MA運用、Web広告運用、記事ライティングは、同じマーケティング業務として一括りにされることが多いですが、実際はそれぞれ専門家がいるくらい、専門性が高い業務です。それゆえ1人がすべての領域に精通していることはありえません。だからこそ、得意・不得意を理解して、うまく連携して業務を進めていく必要があります。 また連携するのは、決してマーケティングの範囲にとどまりません。実際、私はいまSaaSを提供する企業でマーケティングを担当していますが、業務ではさまざまな部署と連携しています。たとえば、商談化率を改善するためにセールス担当者と話したり、既存顧客の声を知るためにカスタマーサクセスチームにヒアリングをしたり、外部との契約にあたってバックオフィスチームと話したり。逆を言えば、社内の各部署との連携なしにはマーケティングは進められないのです。 だからこそ、マーケターはステークホルダー同士の利害を調整して、タスクを遂行する能力が必要になってきます。 マーケティング業務は、まさに困難なプロジェクトそのものです。だからこそマーケティングを成功させるためには、プロジェクトマネジメント能力が必要だと考えています。