台湾野球代表が悲願の「プレミア12」制覇も…歓喜に沸くファンの間で「謝罪書」が飛び交った理由とは
激しさと奥ゆかしさが同居した台湾野球
24日、第3回WBSCプレミア12はチャイニーズ・タイペイ(台湾)代表の優勝で幕を閉じた。侍ジャパンにとっては悔しい結果となったものの、台湾代表はこれが主要国際試合での初優勝。一晩中喜びを爆発させても当然の状況ながら、「東京ドームはNPBの球場」「皆さんにご迷惑をかけずに祝いたい」とシャンパンファイトを辞退した判断には、日本ファンから「奥ゆかしい」といった感嘆の声が上がった。 【写真】「俳優!?」元チアの妻との“妊婦ショット”も…イケメン揃いの台湾代表選手たち
この大会を通じ、台湾代表と台湾ファンは日本に深い印象を残した。予告先発の交代で混乱を招いた一件はあるものの、優勝を決めた直後の深いお辞儀や、台湾・オーストラリア戦後の台北ドームで日本・キューバ戦のラストが中継され、台湾ファンが日本勝利に歓喜といったエピソードの数々。日台の球界は選手・指導者の往来や楽天の球団買収(楽天モンキーズ)などで“距離が近い”イメージだが、さらに親近感が増したという日本ファンも多いようだ。 加えて、台湾ファンの応援スタイルも話題の的だった。ドラマチックなメロディの応援歌、コール・アンド・レスポンス、チアのパワフルダンスなど、場内一体型の応援はまさに野球愛と情熱の結晶。そんな激しさと奥ゆかしさが同居した台湾野球を象徴しているのが、大会中にネット上とリアルで飛び交った「謝罪書」である。
全敗の予想を尻目にまさかの連勝
日本と同じく、台湾も優勝予想や選手、球団運営についてのファン論争が定番。「今年はダメだ」といった辛口予想も遠慮なく口にするが、良い意味で予想を裏切られた場合はどうするか? そこで選ばれるのは、苦しい言い訳ではなく「謝罪」だ。「おみそれしました」「見くびっていてすみません」といったニュアンスだろうか。 プレミア12の台湾代表選手が発表された際、これまでの国際大会と同じく、多くの台湾ファンは苦戦を予想していた。「全敗」予想もあったというからその程度は推して知るべしだ。だが、オープニングラウンドでグループBの総当たり戦が始まると、彼らに衝撃が走った。11月13日の韓国戦は6-3、14日のドニミカ共和国戦は1-2と連勝。16日の日本戦は1-3で敗れたものの、17日のオーストラリア戦は3-11、18日のキューバ戦は2-0でまたも連勝したのだ。 「まさかこんなに強いとは!」という予想外の衝撃を収めるべく、並行してネット上では「謝罪」が始まる。投稿された謝罪書のスタイルがほぼ統一されていたのは、プレミア12開催前の10月中旬、台湾の有名ネット掲示板で公開された「謝罪書ジェネレーター」の影響だ。当時は台湾プロ野球がプレーオフに入っていたため、制作者は「プレーオフとプレミア12に向けて皆が積極的に謝罪できるよう」開発したという。