京阪電鉄が「プレミアムカー」を報道公開 全席にコンセントなど
京阪電鉄は19日、8月に導入する全席指定となっている特別車両「プレミアムカー」を大阪府寝屋川市の寝屋川車庫で公開した。京阪特急の時代を拓く新サービスとして有料座席指定の車両「プレミアムカー」の導入に向けて準備を進めている。この「プレミアムカー」を組み入れた8000系の運転開始は、今年の8月20日から。 【拡大写真付き】京阪の新車両の試作展示 京阪でフェア・列車と綱引きも
プレミアムカーを組み入れた8000系車両全10編成(8両×10編成)が8月20日から運行開始となるが、プレミアムカーは6号車だ。8000系は主に「特急」として運行しており、この同車系に特別な新サービスが加わる。平日・土休日ともほぼ終日(早朝・深夜時間帯及び平日の朝ラッシュの一部時間帯を除く)利用できるという。 専属アテンダントが乗務し、乗客の出迎えや見送り、観光の案内まできめ細かなサービスを行うばかりか、座席はゆったりと配置し、前後のシート間隔を従来よりも100ミリメートル拡大。足元も余裕をもたせている。快適性とパーソナル空間の演出にもこだわり、オリジナルのリクライニングシートを初めて導入した。さらに大きめのヘッドレスト、全席肘掛けなどを装備。シートも高級感漂う柔らかなモケット素材を採用している。まさに「プレミアムなひととき」を味わえる“客室”となる。 このプレミアムカーは、品格あるデザインと快適性が特徴だが、京阪特急の伝統のカラーイメージはそのまま。同電車では初の1扉車へと改造し、扉周りには金色を配し、内装にも金色がアクセントカラーとして使われている。これまでにない居住性が豊かで、座席数は40席(2プラス1の3列)、全シートにコンセントが装備され、移動中のパソコン利用や小物置きに大型テーブル(一部の座席を覗く)を配置、ラゲッジスペースも装備。座席床面は枯山水のデザインとなっている。
「もともとテレビカーなど、これまで有料ではない独自のサービスを提供しておりましたが、今回はもう一段上をいくサービスです。いろんなシーンで大阪と京都を移動される方がおられますが、そういったすべての方にちょっとした贅沢を味わって頂けるようなサービスを提供したいということで、プレミアムカーが誕生します。ビジネスマンやOLさん、観光で来られるお客様など、いろんな方に使って頂けたらと思います」(京阪電気鉄道、経営企画部、長澤正治課長) 1977年(昭和52)にはダブルデッカー車両(2階建て)を新造するなど、常に時代にマッチした話題をつくってきた京阪電車だが、座席指定有料特別車両プレミアムカーの誕生は、また新たな時代を築いていくことだろう。 (文責/フリーライター・北代靖典)