葛藤ばかりのアイドル時代「みんなでひとつの生命体だった」 舞台で活躍する今「恋しくなるときがある」
私は人の目や評価を気にしがち
――田村さんは書くことも好きで、新聞でエッセイも連載されていました。「小説家を目指している」とSNSで発信されていましたが、これもまた大切な夢ですか? はい。夢ですね。趣味で書いているだけで、ひとつも出版はできていないのですが。 ――プライベートではエッセイではなく物語を書かれているのですか? はい。優しい物語より、ちょっと毒のある作品を書くのが好きです。自分自身は吉本ばななさんとか、温かみのある本が好きなのですが。一人の視点の、四畳半的な物語……ミステリーやホラーではないのですが、ちょっと不思議な作品を書いています。 ――物語を書いているときは楽しいですか? 執筆している作品に向き合っているときは、自分の世界観のなかで一人ぼっちでいられるので、それが幸せです。これはアイドル時代の影響が大きいのですが、私は人の目や評価を気にしがち。でも、書いているときは本業のことも忘れられます。 ただ、いつか本を出して、何か賞をいただけたらいいなという夢はあります。その世界を知らないから言えるんでしょうね(苦笑)。厳しい世界なのは、もちろん重々承知していますが(笑)。
着替えの部分も含めて、ありのままの自分を
――昨年11月に開催された単独ライブ『私のもとへ還っておいで 田村芽実一人芝居コンサート』では、ご自身で脚本も執筆。ショーパブで歌い踊る女性に扮した田村さんに、すべてをさらけ出す!という意気込みを感じました。 私が経験してきたアイドルやミュージカルは、どちらもキレイなキラキラした世界だと思うのですが、私自身は作り上げられた存在ではないほうが、生きやすいと感じているので、あの脚本になりました。 ――飾り気がなく、たまに毒づくようなキャラクターで、さまざまな扮装にステージ上で着替えるシーンもあり挑戦的でした。 着替えの部分も含めて、ありのままをお見せしたいという思いはありました。そして、いろんな姿に変わった方が、お客様も喜んでくださると思い、ナース服から椎名林檎さんの「本能」を歌おうとか、ラムちゃんの扮装からアニメ「うる星やつら」のテーマソングを歌おうとか、結構ファッションにヒントを得て、楽曲を選んだところがあります。 ――歌唱力、表現力のある田村さんだからこそ、歌の面でも期待が大きいですが、今後どのようなアーティスト活動をされたいですか? CDなどは今後もぜひリリースしていきたいです。ただ、私は無音の中で書くのが好きで、音楽に言葉をのせる作詞はあまり得意ではないと自分で思っています。だからシンガーソングライターの方とコラボレーションをしたり、どなたかが作られた世界観のなかで、その方が伝えたいことを、自分の声を通して表現する、ということに挑戦していきたいです。 ◇ ◇ 今回、アイドル活動について振りかえってくれた田村芽実さんが、1日限りでアイドルめいめいとしてスペシャルコンサートを都内某所にておこなうことを8月14日に発表し、詳細は今後発表される予定。 また、2023年10月21日に開催された一日限りのライブ、『私のもとへ還っておいで 田村芽実一人芝居コンサート』を収録したBlu-ray・DVD・CDのセットが発売中。11,000円。2024年秋からスタートする、NHKの連続テレビ小説『おむすび』(主演は橋本環奈さん)では、博多ギャル連合の柚木理沙(リサポン)役として出演。2025年春に行われる人気のブロードウェイミュージカル『キンキーブーツ』に、オーディションを経てメインキャストのローレン役(ダブルキャスト)としての出演が決まった。 (まいどなニュース/Lmaga.jpニュース特約・小野寺 亜紀)
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