葛藤ばかりのアイドル時代「みんなでひとつの生命体だった」 舞台で活躍する今「恋しくなるときがある」
今秋からNHK連続テレビ小説『おむすび』に出演。来春上演の人気作『キンキーブーツ』では、日本初演からソニンさんが演じていたローレン役を射止めるなど、今、ミュージカル界でも躍進中の田村芽実さん。「めいめい」と親しまれる彼女の原点は「アイドル」だ。 【写真】かわいいラムちゃんの姿も披露! 2011年~2016年まではアイドルグループ「スマイレージ」(2014年「アンジュルム」に改名)の一員であった彼女に、当時の想いについて、また卒業したからこそできる現在の活動について話を聞いた。
どんなときも仲間がいてくれたのは大きい
――今のご活躍のベースには、アイドル活動があると思いますが、当時を振りかえるといかがですか? 頑張っても成果を出せないとか、つらいときもありました。撮影をするとき、前列になるか後列になるか、私はいつも気にしてしまいました。それが周りからの評価だと思っていたし、そうやって選ばれ続ける毎日を生きていたのは、大変だったなと思います。 ――葛藤があったのですね。 葛藤ばかりでした。当時はまだ13歳とか、多感な時期。毎日ステージの幕が開くと、“推しカラー”のサイリウムの色で、誰のファンが多いのかが分かる状況で、落ち込むこともたくさんありました。そのときに私は、「パフォーマンス力を高めたら、もっと認めてもらえるんじゃないか」と考えていましたが、今思い返すとそれだけでは足りなかったんだろなと思います。 ――実力を上げるだけではダメだったのですか? サイリウムの数は、パフォーマンスに比例するとは限りません。グループを卒業し、外からアイドルを応援するようになったときに、ファンの方はその子自身が持っている魅力に共感したり、容姿だけではなく雰囲気の可愛い子に惹かれたりする、ということに気づきました。今はサイリウムの数だけがすべてじゃないと思えるし、この感覚を持って、もう一度アイドルをやってみたいなと思います(笑)。 ――そうなのですね。アイドルを通じての学びや発見もありましたか? やっぱりステージ上でも孤独ではないし、どんなときも仲間がいてくれたのは大きなこと。今、ミュージカルの舞台に立っていても、そういうのが恋しくなるときがあります。 ――仲間といるから乗り越えられたこともあったと。 ありましたね。ミュージカルではそれぞれに役割が与えられているけれど、アイドルはみんなでひとつの生命体みたいな感じがします。ミュージカルの舞台とはまた違う絆が生まれますね。 ――そうしてアイドル活動で蓄えたパフォーマンス力は、今、ミュージカルの舞台などでしっかり活きていますね! そうですね、気持ちがいいです! アイドルはパフォーマンス力と同じくらい、どれだけ努力して上手くなったか、というようなプロセスを評価されることもあります。でもミュージカルはお客様が作品自体を見てくださるので、そこは嬉しいです。