米中「パンダ外交」が21年ぶりに再開、サンディエゴ動物園で2頭がお披露目
米カリフォルニア州のサンディエゴ動物園で8月8日、2頭のジャイアントパンダが一般に公開された。中国は「パンダ外交」を通じてさまざまな国にパンダを貸与しているが、CNNによると中国から米国にパンダが貸し出されたのは21年ぶりという。 【画像】オスパンダのユンチュアン ユンチュアンとシンバオという名前のパンダは6月に同動物園に到着し、新しい環境に慣れるための時間を過ごした後に一般公開された。 ユンチュアンは5歳のパンダで、母親のジェンジェンは2007年にサンディエゴ動物園で生まれていた。動物園によればユンチュアンは「穏やかで優しく、愛される性格」で、シンバオは「優しく機知に富んだ内向的な」性格で、もうすぐ4歳になるという。 世界自然保護基金(WWF)は、野生に残っているジャイアントパンダの総個体数を約1800頭と見積もっている。国際自然保護連合(IUCN)は、ジャイアントパンダを絶滅の恐れがある野生生物の「レッドリスト」に掲載し、「危急種」に分類している。米国では他に4頭のジャイアントパンダがアトランタ動物園にいるが、今年後半に中国に戻る予定という。 パンダは、中国によって重要な「政治的および外交的」な目的で使用され、1972年2月に当時のリチャード・ニクソン大統領が中国を訪れた時以来、米中関係においても重要な役割を果たしてきた。中国の周恩来首相は、パトリシア大統領夫人がパンダが好きだと話したのを聞いて、リンリンとシンシンという2頭のパンダを米国に贈った。 同年4月に、この2頭は首都ワシントンD.C.のスミソニアン国立動物園に到着し、次の20年間で5頭の子パンダを産んだが、いずれも数日間で死亡した。リンリンは1992年、シンシンは1999年にそれぞれ死亡した。 約1年間の空白期間を経て2000年12月に、メイシャンとティエンティエンという2頭がやってきた。ただしこの2頭は贈り物ではなく、同動物園は中国政府に1000万ドル(約14億7000万円)を支払い10年間パンダを飼育する権利を得ていた(2頭はその後、年間50万ドルで5年間の滞在延長が決まった)。 メイシャンとティエンティエンはその後、シャオチージーという子どもをもうけたが、同動物園は昨年11月に、これらの3頭が成都の中国野生動物保護協会に戻ることを発表した。中国の習近平国家主席は同月、サンフランシスコを訪れた際に、パンダが「米中の国民をつなぐ友情の使節」になると述べ、米国へ新たなパンダ数頭を送る可能性があることを示唆した。
Ty Roush