神奈川県、リンゴ病流行警報発令…定点報告数2.17人
神奈川県は2024年12月5日、伝染性紅斑(リンゴ病)の患者数が増加していることを受け、流行警報を発令した。11月25日から12月1日までの1週間で、県内の定点当たりの報告数が2.17人となり、感染症発生動向調査における警報レベル「2」を超えたためである。 伝染性紅斑の定点当たり報告数の推移(神奈川県)
伝染性紅斑は、ヒトパルボウイルスB19による感染症で、小児を中心に発症する。通常、4日から14日(場合によっては21日程度)の潜伏期間を経て、特徴的な両頬の紅斑(赤い発疹)が現れ、その後手足に網目状の紅斑が出る。感染力は発疹出現前がもっとも強く、発疹が現れた後はほぼ消失する。通常は自然に回復するが、成人では関節炎を合併することもあり、妊婦が感染すると胎児水腫や流産を引き起こす可能性がある。また、溶血性貧血の患者では汎血球減少を起こすことがある。
神奈川県では、約240の医療機関が小児科定点として指定されており、週1回患者数が報告される。定点当たり報告数が2以上の場合に「警報」となり、終息基準の「1」を下回るまで継続される。近年の神奈川県における発生動向では、2018年第49週の1.97が最高値であり、今回の警報基準値の超過は初めてのことだという。
伝染性紅斑の感染経路は、せきやくしゃみによる飛沫感染や唾液を介した接触感染と考えられている。予防方法としては、日頃からの手洗いや咳エチケットが重要である。 伝染性紅斑の流行警報が発令されたことを受け、特に小児がいる家庭では注意が必要だ。
神奈川県衛生研究所感染症情報センターのWebサイトでは、伝染性紅斑の発生状況や疾患別情報が提供されている。感染症対策に関する問合せは、神奈川県健康医療局保健医療部の感染症対策連携担当課長や健康危機・感染症対策課感染症対策連携グループにて受け付けている。
リセマム 佐藤愛