半導体材料の新工場完成 投資額130億円 九州地区の需要増に対応 東京応化
東京応化工業が、熊本県菊池市で建設を進めていた高純度化学薬品の新工場が完成した。約130億円を投じ、九州エリアの半導体生産の拡大に対応して準備を進めていたもので、2025年上期からの稼働を予定している。 【関連写真】完成した新工場 同社は6日、「阿蘇工場 阿蘇くまもとサイト」の竣工式を開催。新工場は、高純度化学薬品の供給能力拡大と品質向上を目指したもので、敷地面積12万8000平方メートルの規模を持つ。 同社は、84年に阿蘇工場(熊本県阿蘇市)を開設し、高純度化学薬品を製造してきた。一方、昨今の九州エリアにおける半導体生産の拡大を受け、22年に菊池市に事業用地を取得し、新工場の建設を決めた。 同社は、30年に向けた長期ビジョン「TOK Vision2030」の実現に向け、戦略的投資を加速している。22年2月に発表した中期経営計画では、3カ年累計で、過去最大規模となる570億円の設備投資を計画している。 半導体フォトレジストの生産能力の拡大を目指し、24年度下期の着工、26年度下期の稼働予定で郡山工場(福島県郡山市)に新棟を建設する。今年2月には、連結子会社の韓国TOK尖端材料(TOKAM、仁川広域市)が韓国京畿道平澤市に用地を取得し、新工場を建設すると発表。半導体需要の拡大を背景に、製造に必要なフォトレジストの生産能力の増強を加速している。
電波新聞社 報道本部