話題の“新顔”をノーザンファーム天栄の木實谷場長に直撃 「血統的にも当然、期待している種牡馬です」
「安田記念・G1」(6月2日、東京) 今週から2歳新馬戦が始まる。次世代を担うスター候補たちが6月からスタンバイ。エピファネイアやキズナといったリーディング上位種牡馬の良血2歳は走る前から話題となるが、“新顔”にも目を向けなければ、サイクルの早い競馬界の流れについていけない。そこで今年デビューを迎える新種牡馬を予習するべく、ノーザンファーム天栄の木實谷雄太場長に産駒の特徴と、関東の注目2歳馬を聞いてみた。 まず今年の目玉であるサートゥルナーリア(初年度産駒数142頭)。木實谷場長は「血統的にも当然、ノーザンファームが期待している種牡馬です」ときっぱり。「もちろんどの馬も良さそうではあるのですが、まだ(産駒の)特徴をつかみ切れていないのが正直なところですね。個性豊かで、よくも悪くも産駒に共通項が少ない。これからレースでの走りを見ながら、ノウハウを積んでいければと思っています」と話していた。 6月2日の東京5R(芝1600メートル)で早速クライスレリアーナ(牝、母シユーマ、美浦・木村)が、ルメールを背に初陣を予定。それ以外にも近親にハープスターがいるマックスキュー(牡、母イストワールファム、美浦・鹿戸)、母が牝馬クラシックで好走したレイニング(牡、母クルミナル、美浦・国枝)の名が挙がった。 同場長が注目している種牡馬はアドマイヤマーズ(初年度産駒数62頭)だという。「体があって、気性も前向き。早い時期から動けそうな馬が多く、好印象を持っています」と期待の様子。そのなかでも、前述のクライスレリアーナと激突するエンブロイダリー(牝、母ロッテンマイヤー、美浦・森一)は1週前の美浦Wでも軽快な走りを披露しており、POGファン的にも即戦力候補としてチェックしておきたい一頭だ。 他にもマーズオデッセイ(牡、母クイックリトルミス、美浦・宗像)、ココアミュレット(牝、母ココシュニック、美浦・稲垣)、コンテディカヴール(牝、母レディスキッパー、美浦・栗田)、エウテルペ(牝、母ソーメニーウェイズ、美浦・和田郎)など好素材がそろっている。 トレセンでの評判がいいナダル(初年度産駒数98頭)も聞くと、「北海道での感触も良かったですよ。気性が前向きなところが評価が高くなる要因でしょうね」と分析する。父は米国のダートG1馬なので芝で走るかは未知数だが、現時点では“当たり種牡馬”と思っていいだろう。6月2日・東京6R(芝1400メートル)でデビューするカルデライト(牝、母コーディエライト、美浦・森一)の走りに注目したい。 ダート界を長くけん引したゴールドドリーム(初年度産駒数129頭)も活躍しそうな雰囲気がある。「ゲート試験の合格を済ませ、夏のデビューを目指しています」というジャナドリア(牡、母ターシャズスター、美浦・武井)が砂の大物候補だ。(デイリースポーツ・刀根善郎)