こんなEVならバカ売れ!? えーマジか? いまほしい電気自動車を突き詰めると[トヨタ ラウム]になっちゃうのよ!
■まさにEVのために作られたようなパッケージング
時は流れて現代。自動車はじわじわと電動化が進んでいるが、日本で発売されているBEVは大きく高額車が主流。電気自動車を普及させるにはもっと安くて、コンパクトなクルマが欠かせないはずだ。 そんなとき、まさにここで説明してきたラウムが理想像として思い浮かぶのだ。 まずなんといっても全長4mというサイズ。「いっそのこと4.3mにしてフリード/シエンタみたいな7人乗りにすればいい」という声もあるかもしれない。しかしBEVを多人数乗車にすると高出力モーターと大容量バッテリーが必要になり、悪循環に陥る。ここはあえて5人乗りなのだ。 もちろん1500mm超という全高もBEVにはぴったりだ。バッテリーを床下に敷き詰めたとき、そのバッテリーの厚みを吸収しやすいためだ。重いバッテリーを床下に配置するぶん重心高が下がるから、コーナーなどの安定感はより増すだろう。 室内の使い勝手はほぼそのままでいいと思うくらいだ。前席の横ウォークスルーも、後席の凸凹の少ないフロア面も、大きなエンジンやトランスミッションを持たないBEVにとっては実現が容易なはず。小っちゃいけれどめちゃくちゃ広い車内を実現してほしい。 こうしてみてくると、ラウムがいかに先進的なファミリーカーだったが分かる。電動化が叫ばれる今、もう一度ラウムの魅力を掘り下げてみてはどうか。仮に「ラウムEV」が300万円前後で発売できれば、日本の電動化の強力な推進役になると思うのだが……。