駅ビルで壁など崩落した「阪急南茨木駅」の階段部分が復旧
6月18日午前に大阪府北部を震源とする最大震度6弱の地震が発生してから18日で1か月となった。その地震で被害を受け、駅の一部が使用できなくなっていた阪急電鉄南茨木駅(大阪府茨木市)の駅東側から改札口へつなががる階段部分が17日に復旧した。駅構内のトイレについても7月中旬の利用再開を目指して復旧工事が勧められている。 【拡大写真付き】6月末に撮影した「阪急南茨木駅」の様子
地震の影響で階段使用停止、利用には大きな迂回が必要だった
1970(昭和45)年に開設された同駅は、今回の地震で開業当時に建てられた駅ビルなどに大きな被害を受けた。 駅東側の階段部分はこの駅ビルと一体になっており、地震直後から使用を停止。それまで東口を利用していた乗客らは、いったん駅北側の跨線橋を上がり、大きく迂回する必要があり、高齢者らが利用する際に困るという声も地元では多くあがっていた。 阪急電鉄では復旧工事を進め、17日午前に完了。同日、案内係の駅員が「東口は本日より利用を再開しております」と、利用者に声を掛けていた。
駅構内のトイレについても7月中旬の利用再開を目指し工事
同駅では、他の設備の復旧工事も進められており、現在までに京都方面ホームへのエレベーターとエスカレーター、それに梅田方面への上りエスカレーターは利用を再開。 残る梅田方面への下りエスカレーターと、駅構内のトイレについても7月中旬の利用再開を目指して復旧工事が続けられている。
駅ビル自体は現在も復旧のめどは立っていない
一方で、梅田方面ホームへのエレベーターと、東口から改札口に上がるエレベーター、そして駅ビル自体は現在も復旧のめどは立っていない。 地震発生から1か月。酷暑の中、今もなお地震からの復旧に向けて、関係者の奮闘は続いている。一日も早い復旧を願う。 (文/伊原薫/鉄道ライター) ■伊原薫(いはら・かおる)大阪府生まれ。京都大学大学院・都市交通政策技術者。(一社)交通環境整備ネットワーク会員。グッズ制作やイベント企画から物書き・監修などに取り組む。都市交通政策や鉄道と地域の活性化にも携わっている。好きなものは103系、キハ30、和田岬線、北千住駅の発車メロディ。2018年6月には大阪市営地下鉄民営化の経緯を一冊の本にまとめた『大阪メトロ誕生』を出版。