TPP大筋同意 国内でも今後続く「タフな交渉」
5年半の交渉の末、ようやく大筋合意に至った環太平洋経済連携協定(TPP)。参加国は12か国で、対象分野は21分野31項目にわたります。これにより、参加12か国の国内総生産(GDP)の合計が3100兆円という巨大経済圏が誕生することになりました。TPPをめぐっては、当初から農林水産業界を中心に根強い反対論がありますが、安倍晋三首相は11日の参院予算委の閉会中審査で「新たな経済ルールを作って、そして人口8億人、世界経済の4割近くを占める広大な経済圏を生み出す」と意義を強調しました。TPP参加は日本の経済や産業にどう影響を与えていくのでしょうか。 【図】TPP交渉越年へ コメなどの「重要5項目」はなぜ重要か?
アメリカにとって厄介な存在だった?
「日本が参加表明をして以来2年数ヶ月、苦労の連続の歴史が走馬灯のように脳裏をめぐります。日本が参加したことに対する感謝はほぼ全ての国から寄せられました。巨大経済国アメリカ対経済小国群、象とアリと揶揄された関係が大きく変わったのが日本の参加です。途上国の思いに耳を傾け、巨大国アメリカに物申す。アメリカにとっては厄介な存在になったかもしれませんが、そのことがあるからこそTPPはバランスの取れた魅力的な中身になり、ウェイティングサークルに多くの国が列をなすことに繋がったんだと思います」(甘利明TPP交渉担当大臣HP「国会リポート」 2015年10月14日更新) 環太平洋経済連携協定(TPP)交渉に参加する12か国(シンガポール、ニュージーランド、チリ、ブルネイ、アメリカ、オーストラリア、ペルー、ベトナム、マレーシア、日本、カナダ、メキシコが)は10月5日、共同記者会見を開き、交渉が大筋合意に達したとする声明を発表しました。これにより、世界の国内総生産(GDP)の約4割を占める経済圏が誕生することになりました。
冒頭はそれを受けての甘利担当大臣のHPのリポートです。自画自賛にすぎるきらいもありますが、相当にタフな交渉が続いたのでしょう。ちなみに甘利大臣の白髪はその交渉でできたのではなく、「20年以上続けてきた毛染めを止め」たからだということです(同HP2015年5月24日更新)。