「何も成し遂げられていない」気がする39歳・ティナを友情が救う!「きらめく帝国NY編」 悩みに効くリアリティーショー
夢見るような展開のドラマを見ても、近頃はなんだかむなしい。だって現実にはこんなすてきなこと起こらないもの。恋愛・キャリア・子育て・孤独……悩める私たちの特効薬は、そう、リアリティー・ショー! 現実世界に即・応用できちゃいます。今回は、過去のトラウマから自己肯定感を持てないあなたに「きらめく帝国~超リッチなアジア系セレブたち~ニューヨーク編」(Netflix)をおすすめ!
勉強も仕事も頑張ってきたし、周りにも「すごいね」と言われる。でも、私はいつまで経っても私のことを認められない――。 そんな気持ちになったとき、観てほしい番組がある。それは「きらめく帝国~超リッチなアジア系セレブたち~ニューヨーク編」。その名の通り、アジア系アメリカ人セレブたちのリッチな日常や人間関係のゴタゴタを追ったリアリティー・ショーだ。「そんなキラキラした人たちの話なんか聞きたくない」と思わないで! 満たされて見える彼らにも孤独やトラウマ、コンプレックスがあるのです。
インフルエンサーの光と影
今回スポットを当てるのは、香港出身のティナ・レオン、もうすぐ40歳。スレイジアン(Slay=成功する+Asian)と称され、シャネルやプラダなど数々のハイブランドのショーに招待されるファッション・インフルエンサー。 いつもハイセンスな装いで華やかな輪の中心にいて、まさに「成功者」といった感じ。それでいて、LAからニューヨークへ引っ越してきたドロシー(超セレブ)を周りに溶け込ませようとお世話したり、ドロシーとデボラ(これまた超セレブ)のケンカの仲裁をしたりと心優しい。 外身も中身も素敵なのに、ティナは自分に自信が持てない。レッドカーペットで観衆から「ティナ!」と呼ばれても、別のティナじゃないかと一瞬疑ってしまう。もう10年以上も不眠症を抱えている。
頼れる家族がいない寄る辺なさ
その原因は、家族との関係。番組の前半では、父親がプライベートジェットを持つほどリッチだったにも関わらず、ある日事業に失敗し、ティナは20代前半で自立を迫られたことが語られる。 なんの後ろ盾もなくアメリカでインフルエンサーに昇りつめるまでに、どれほどの努力があったのか……。それでも彼女はインフルエンサー業に空虚さを感じ、自分の商品を作るクリエイティブディレクターを目指し、必死で顔を売ろうとする。 そんなとき、数年がかりでやっと最前列の席に座れるようになったシャネルのショーに遅刻して――。 クィアでファッション誌の編集者のブレイクに打ち明ける。自分は恵まれていると思うから「文句を言うべきじゃないけど、すごく疲れている」「(香港の)姉妹たちにも何年も会っていない」「夜中に悪夢を見て目が覚める。ホームレスになるかもって」 失敗した時に避難できる家が彼女にはない。そんなギリギリの彼女にブレイクは「裸足でセントラルパークへ行こうよ」と言い、彼女も「それは効くって聞いたわ」と笑う。 ティナのように海外で働いていなくても、家族に頼れなかったり、シングルだったり、急に心細くなる夜は誰しもある。そんなとき、みんなに「いいね」がもらえるインフルエンサーを妬むことも。それがまさか、彼女たちにも同じ孤独があったとは……。