【学生長距離Close-upインタビュー】エースに成長した亜細亜大・片川祐大「箱根はやっぱり走りたい舞台」
後輩の快走が刺激に
高校の2学年後輩、前田和摩(東農大2)の存在も刺激になっている。前田は、金栗記念では5000mに出場し1組1着。5月の日本選手権10000mでは、日本人学生最高(日本歴代5位)となる27分21秒52の快記録で3位に入った。 「金栗の時はたまたま飛行機が(前田と)往復一緒でした。『次は全日本予選(関東選考会)で直接対決だね』という話をしたら『絶対に負けません』などと言われました。まさかあんなに行くとは……。(前田の活躍は)刺激にもなりましたし、自分もできるんじゃないかって思うことができました。負けじと食らいつく走りをしていきたいと思っています」 今季、片川はチームの主将を務める。亜細亜大は第82回箱根駅伝で総合優勝を飾っているが、その4年後の第86回大会を最後に本大会から遠ざかっている。チームとして目指すのは、もちろん15年ぶりの本戦出場だ。 「関東の大学に来たからには箱根駅伝はやっぱり走りたい舞台。“自分がしっかり走れば大丈夫”という精神を持った選手が10人集まって、一人ひとりがその目標に向かっていけば、予選会は良い勝負ができると思う。そういうチームにしていきたい」 本戦出場を逃した過去3大会は1区の10km付近で走路員を務めた。「出走する人を背中で見て、通り過ぎたら終わり。寂しい仕事でした」。本大会に出場がかなった際には、1区を希望するつもりだ。 「集団走が好きだし、テレビにも映りますから。あと、自分の持ち味が朝に強いこと。朝はばっちり起きられるので、良いスタートを切ってチームに流れを作りたい」 これまでは背中で見るだけだった1区で爆走を誓う。 ◎かたかわ・ゆうだい/2002年12月26日生まれ、兵庫県川辺郡猪名川町出身。猪名川中→報徳学園高→亜細亜大。自己記録5000m13分41秒72、10000m28分11秒20、ハーフマラソン1時間2分06秒。
和田悟志/月刊陸上競技