timelesz 菊池風磨は言葉にできない想いを歌詞にしてきた 3人体制最後の曲「because」に込められたもの
timeleszの菊池風磨が、10月7日放送のラジオ『timeleszのQrzone』(文化放送)にて、新曲「because」の制作背景を明かした。11月20日にリリースされる「because」は菊池が主演を務めるドラマ『私たちが恋する理由』(テレビ朝日系)の主題歌としても注目されているラブソング。3人体制のtimeleszとしては最初で最後のシングルという点でも話題となっている。 【写真あり】佐藤勝利のギター演奏も timelesz、3人でまわる最初で最後のアリーナツアー 菊池はラジオにて「私が作詞、そうちゃニキ(松島聡)が振り付けの考案、(佐藤)勝利がミュージックビデオ制作に参加、と。役割を持って3人で制作した楽曲になっております」と、メンバー全員でアイデアを出し合って制作されたという本作の特徴について言及。 「作詞は、みんなで話し合って決まったんですよね。主題歌っていうのもあるし、原作の意図も組みつつ、(3人体制で)最初で最後のシングルってことだから、ファンの方々へ向けてというか。僕らとファンの方々の関係性を意識しつつ、その2軸で『菊池よ、頼む』と」と、作詞を担当することになった経緯についても明かす。そして「詞も納得がいくものが書けましたし」と自信をのぞかせた。 作詞の時間は仕事の合間をぬって「ぎゅっとしたら2~3時間ですね。それくらいポンポン書けました」とも。「今までちょっとずつ詞を書いたりとかしてましたけど、もしかしたら一番スムーズだったかもしれないですね」と振り返った。 短時間で文字に落とし込めたということは、それだけ熟考された証ではないだろうか。Sexy Zoneからの改名、3人での決意のコンサート、そして“仲間探し”オーディション『timelesz project -AUDITION-』の開催……今の菊池は、きっと今までにないくらい“アイドルとは何か”、”グループとは何か”、そして“アイドルとファンの関係性とは何か”を自問自答しているはずだ。 正式な歌詞はまだ明かされていないが、リリースに先駆けてYouTubeにて公開された『timelesz「because」×「私たちが恋する理由」 特別動画』で流れる「because」のフレーズに耳を傾けると、「暮れる街並みは ぼやけてとけてく 月は綺麗かな」が印象的に響いた。忙しく過ごす菊池が移動中の車の窓から街並みを眺める姿が思い浮かぶようだ。 一つひとつ灯っていく光に、それぞれの生活があって、そのなかにはアイドルやドラマといったエンターテインメントに日々の潤いを求める人たちがいる。そうした多くの人々の期待に応え、ファンからの愛を受け取りながら活動を続けてきた。そんなアイドルとしての日常を振り返る中で、「月は綺麗かな」の歌詞が思い浮かんだのではないだろうか。 “月”と“綺麗”というワードに、夏目漱石の「I love you」を「月が綺麗ですね」と訳したという逸話を思い出した人もいるのではないだろうか。明治時代の日本人は「愛しています」なんて直球の愛情表現はしないだろう。また、その言葉でも十分に愛は伝わるという奥ゆかしさがあるというのが、夏目漱石の言い分だが、そんな硬派な日本人像と菊池の親和性が高いように思えてくる。 先述したように、本作の歌詞はドラマ『私たちが恋する理由』とtimeleszの2つのストーリーが交差するもの。まずは今回、菊池が『私たちが恋する理由』で演じる黒澤智也が、感情を表に出さずにはっきりとした物言いをするため、社内では怖がられる存在というキャラクターであることを考慮すると、彼が想いを言葉にするとしたら、夏目漱石ばりに慎ましやかな表現を好むような気がするのだ。 そして、菊池自身もアイドルでありながら甘いフレーズを口にするのをためらうシャイさがあること。また、Sexy Zoneとして突然、グループが結成される形でデビューを果たした菊池は、想像していた未来とは違った現実に心が追いついていないように見えた時期もあったことを思い出す。そんな菊池に、ファンも動揺せずにはいられなかった過去があったことも。