【独自取材】航空自衛隊「無人偵察機」部隊に密着……驚きの操縦飛行 安全保障の最前線『every.特集』
中国による尖閣諸島への領海侵入や北朝鮮の核・ミサイル開発問題など、日本の安全保障は緊迫の度合いを深めています。そんな中、自衛隊に新しく導入された無人偵察機とその部隊を取材。どのように“無人飛行”が行われているのか、密着しました。 【動画を見る】TVで放送できなかった部分も“全部盛り” 安全保障の“最前線”…自衛隊「偵察航空隊」グローバルホークの全貌とは?
■メディア初取材“偵察専門部隊”
夜明け前、航空自衛隊の基地。許可を受けた隊員でなければ入れない、幾重ものセキュリティーに守られた建物があります。そこで翼を休めていたのは、見慣れぬ形をした航空機。地上から操縦する“無人偵察機”グローバルホークです。 私たちは、この無人偵察機を運用する偵察航空隊の内部をメディアとして初めて取材しました。 驚きの操縦方法とは―― 無人機パイロット 「マウスとキーボード、テンキーを使って操縦を行っています」 日本の安全保障に欠かせない監視活動。自衛隊初の無人機専門部隊の実態に迫ります。
■自衛隊初の部隊、その任務は
青森県にある航空自衛隊三沢基地。 「隊司令登壇」 ここを拠点に活動するのが“偵察航空隊”。 「かしら~左!」 2022年に130人体制で編成された、新しい部隊です。 今、日本の周辺では中国・ロシアの軍事演習や北朝鮮のミサイル開発など、軍事活動が活発化しています。偵察航空隊はこのような活動に対する監視や情報収集を行っているとみられます。
■高価かつ特殊な機体の実力は
部隊が運用するのは無人偵察機グローバルホーク3機。アメリカ製で1機あたりの値段はおよそ170億円。戦闘機よりも高価な機体です。 飛行班長 半田弘希2等空佐 「こちらの膨らみの部分ですけども、通常の戦闘機であれば、こちらはコックピット部分で操縦者が乗る場所。この飛行機の場合は、衛星通信用のアンテナが内部に搭載されております」 パイロットは地上から衛星通信などを介して機体を操縦します。 グローバルホークの特徴の1つが長い翼。戦闘機のおよそ3倍の横幅があります。この長い翼を生かし、旅客機の2倍近い高度で約36時間も飛行が可能。従来の偵察機より広範囲の情報収集が可能になりました。 飛行班長 半田弘希2等空佐 「こちらの丸い部分がカメラの部分になります。上空で情報収集する際はこの部分が回転し、中からカメラ部分が外に出るような構造になっています」