【今月おすすめの本】柚木麻子『あいにくあんたのためじゃない』他3編
『こまどりたちが歌うなら』寺地はるな ¥1870/集英社
前職に疲れて、親戚が経営する小さな製菓会社へ転職した茉子。頼りない社長、実力はあるのに自分の待遇を改善しようとせずに働き続けるパート勤務女性、声や態度が大きな社員と、叱られっぱなしの部下。さまざまな人に囲まれながら、茉子は“会社内の違和感”に少しずつ声を上げていく。働くこと、人とかかわることの難しさや大切さがじわじわと響く長編小説。
『まさみ式 考えない晩ごはん』小林まさみ ¥1650/オレンジページ
実用的でわかりやすいレシピが雑誌やSNSで人気の著者。本著は豚肉、鶏肉、牛肉・合いびきを材料に、5分の仕込みで2種類の「おかずの素」の作り方を紹介。同じ素材で保存袋を2枚使い、1食はすぐに食べられる冷蔵用、もう1食分はいつでも食べられる冷凍用と、作り分けができるのが便利! “まさみ式”で「今日は何を作ればいい?」という悩みから解放されます。
『へそまがりな私の、ぐるぐるめぐる日常。』菊池亜希子 ¥1595/宝島社
本誌連載でもおなじみ菊池亜希子さんによる、2020年秋から約3年間の日々の出来事とその思いをつづったエッセイ第2弾。家族やペット、仕事や趣味の出来事などから生じる、つかみきれない感情の正体を、一度立ち止まってぐるぐると考えをめぐらして文章に。菊池さんのぐるぐるに、共感したり、なつかしさを感じたり。何気ない日常を愛おしく感じられる一冊。 Staff Credit こちらは2024年LEE5月号(4/6発売)「カルチャーナビ」に掲載の記事です。