婚約破棄、不妊治療、離婚を経て辿り着いた・・・穏やかな幸せ|大人婚してよかった!|STORY
鎌倉移住を経て、出会った年下の男性と再婚へ
今の夫に出会ったのは、鎌倉に越してきて2年程経った頃。共通の知り合いが呼んでくれたライブで、たまたま席が隣だったんです。彼は私のSNSを見て既に知ってくれていたこともあり、話が盛り上がって意気投合。偶然家の方向も同じだったので、帰りの電車でもずっと楽しく話していたのを覚えています。 その後、また別の鎌倉でのライブに呼ばれて、何気なく彼に「行く?」と声をかけてみました。もともと好印象を抱いてくれていたようで、「空いてる!」と即答(笑)。そのライブをきっかけに再会し、その後も定期的に会うようになりました。彼の出張が忙しく月1回のペースでしたが、3回目に会った時に自然な流れで「これからの人生、一緒にいたら楽しいかもね」という話に。それは結婚というわけではなく、「一緒に生きていく」というニュアンスで、最初は事実婚のつもりだったんです。それに、私はもう年齢的にも子どもを授かる可能性は低いし、不妊治療もしたくない。もし子どもが欲しいのであれば、結婚は難しいということも伝えました。それに対しては彼も同意してくれて、付き合い始めてから半年で入籍しました。 そもそも再婚はしないつもりでしたし、入籍という形式的なことにも興味はなかった。でもやっぱり、今の日本だと何かあった時に家族じゃないと難しい局面があるんですよね。例えば、相手の死に目に会えないとか。結局は2人がコンフォートでハッピーであることが重要だから、家族になるという道を選びました。 彼に対しては最初から、「もっと話したい」と思える不思議な居心地の良さがありました。出会った当初に将来住みたい場所や理想の生き方について話をしていたのですが、「山梨に家を建ててお花を育てたい」というような暮らしの方向性も一致していたんです。男女の垣根を越えて、人としていい関係を築けるという確信がありましたね。 24歳の時も付き合って半年で同期と婚約しましたが、やっぱり大人になっている分、当時の半年とは全く内容が違っていて(笑)。彼は6歳年下ですが、感性が似ていて音楽や映画など好きなものが同じだったり、正義感が強く「嫌だな」と感じることも一緒なんです。頭で考える外側の条件などは抜きにして、シンプルにその人を見て、感性のすり合わせを無意識レベルでできていた気がします。それも、大人婚ならではの良さですね。 撮影/沼尾翔平 取材/渡部夕子