約6割が生成AIを全社導入、組織における利用が本格化--エクサウィザーズ調査
エクサウィザーズのグループ企業であるExa Enterprise AIは12月23日、「生成AIの利用実態調査」の結果を発表した。同調査は11月28日と12月9日に開催した生成AIセミナーで実施し、262社310人から回答を得た。 生成AIの利用実態調査は2023年4月から継続的に実施しており、今回で5回目となる。調査によると、生成AIを全社的に導入している割合が第4回調査から3.2ポイント上昇し、58.1%だった。また、どの程度の社員が生成AIを活用しているかについて、「8割程度の社員」「ほぼ全員」と回答した組織は合計で19.3%と、前回から9.4ポイント増加し、組織としての利用が本格化していることが明らかになった。 同調査では、「ChatGPT」などの生成AIの業務での利用状況を「関心なし」「関心はある」「試しに利用」「時々使用」「日常的に使用」の5段階に分類し、公開している。2023年4月に実施した第1回調査では、「試しに利用」(43.0%)が最も多く、「日常的に使用」は7.2%だったが、今回の調査では「日常的に使用」が48.7%(前回比12.9ポイント増)と最多となった。 検索拡張生成(RAG)の活用状況については、「すでに業務で活用している」が22.1%、「取組中だがまだ活用できていない」が33.1%で、半数以上がRAGに取り組んでいることが分かった。Exa Enterprise AIは、組織で生成AIの活用が本格化していることや、生成AIを日常的に使用している層が増えたことがRAGへの取り組みを加速させていると説明している。 一方で、RAGへの取組状況を個人の業務における生成AI活用レベル別に見ると、「(生成AIを)日常的に使用している」層では、27.8%がRAGを用いた生成AIの活用高度化に成果を出している。しかし、「(生成AIを)試しに使用したことがある」層では、75.0%が「(RAGに)取り組みたいが未着手」と回答しており、RAGの取り組みに差が出始めていることが分かった。 関心のある生成AIの最新トレンドを尋ねると、自律的に稼働するAIエージェントが53.5%と最も多く、以下はRAG(50.0%)、音声や画像なども処理できるマルチモーダル(35.5%)、複数の大規模言語モデルの活用(34.5%)、小規模言語モデルのファインチューニング(14.5%)と続いた。 同社は、AIエージェントは、人が設定した目標に対して自らが考えて自律的に動くAIであり、RAGと同様にAI技術の付加価値を高める進化への期待が高いことがうかがえると述べる。特に、個人の活用レベルが高い層ではAIエージェントへの関心が高いことが明らかになったとしている。