掘り続け、探し続けることが「行動的慰霊」 映画『骨を掘る男』、戦没者と向き合う具志堅さん追う
太平洋戦争末期、住民を巻き込む地上戦で20万人以上が犠牲となった沖縄戦。 林の中のガマと呼ばれる自然壕(ごう)の土に埋もれた戦没者の遺骨を、40年にわたり収集するボランティア「ガマフヤー(ガマを掘る人)」代表、具志堅隆松さん(70)の活動を追ったドキュメンタリー映画『骨を掘る男』が、東京などで公開されている。 【写真特集】戦争の記憶~沖縄戦 これまでに収集した遺骨はおよそ400柱。上陸した米軍が火炎放射器や手りゅう弾で人々を追い詰めていった本島南部には、最後まで抵抗を続けた旧日本軍兵士や、戦火を逃れようとした住民ら約3000柱の遺骨がいまだに眠ったままだという。 暗い壕の中でヘッドランプの光を頼りに土を掘り、遺骨が見つかる時もあれば、何時間掘っても見つからない時もある。この映画では、そのどちらの時間も、大切な時間として描かれる。掘り続け、骨のかけらを探し続ける行為そのものを具志堅さんは「行動的慰霊」と言う。 那覇市出身の奥間勝也監督(39)は舞台あいさつで、「骨に近づき、見続けたとしても何も言ってくれないが、今を生きるわれわれが、死者とどういう態度で向き合い、自分たちの未来を構築していくかが問われている」と述べた。 22日から那覇市の桜坂劇場などでも公開予定。