2026年ワールドカップで大注目! スウェーデン代表の強烈なアタッカートリオ
西部謙司が考察 サッカースターのセオリー 第28回 スウェーデン代表FWトリオ 日々進化する現代サッカーの厳しさのなかで、トップクラスの選手たちはどのように生き抜いているのか。サッカー戦術、プレー分析の第一人者、ライターの西部謙司氏が考察します。 【写真】グリーリッシュ、ハヴァーツ、ガクポほか多数 欧州サッカートップスターの美しきパートナーたち かつてはワールドカップで準優勝や3位を経験している、古豪スウェーデン代表が復活の兆し。きっかけは久々に傑出したアタッカーが3人揃ったことにあります。 【アタッカーに恵まれると強いスウェーデン】 スウェーデン代表は欧州の古豪と呼ばれる。1938年フランスW杯で4位、1950年ブラジルW杯で3位。1958年は自国開催で準優勝。1948年ロンドン五輪では金メダルを獲得した。ミランで「グレ・ノ・リ」のアタックラインを形成したグンナー・グレン、グンナー・ノールダール、ニリス・リードホルムのトリオが看板選手だった。 その後、低迷期に入るが1974年西ドイツW杯で復活して2次リーグに進出。この時はラルフ・エドストレームとローランド・サンドベリのコンビが活躍。 さらにまた低迷期の後、1994年アメリカW杯では3位。トーマス・ブロリン、マルティン・ダーリン、ケネット・アンデション、ヘンリク・ラーションと攻撃陣が充実していた。 ただ、そこからの低迷は長く、W杯では2018年ロシアW杯のベスト8が最高成績である。ズラタン・イブラヒモビッチという逸材を擁しながら、そこそこ強いという地位から脱していない。 UEFAネーションズリーグでは2020-21シーズンこそ最強のリーグAに属していたが、2024-25はリーグCで戦っている。しかし、ここにきて復活の兆候が表われてきた。来季はリーグBへの昇格も決まっている。 スウェーデンは伝統的に堅守のチームだ。統制のとれた守備の3ラインは定規で引いたような機能美を感じさせる。ただし、それだけではなかなか勝ちきれず、歴史を振り返るとスウェーデンが好成績を残すには複数の傑出したアタッカーが必要なようだ。 現在、久々に傑出したアタッカーが3人揃った。アレクサンデル・イサク(ニューカッスル)、ヴィクトル・ギェケレシュ(スポルティング)、デヤン・クルゼフスキ(トッテナム)のトリオである。