「好きな栃木を盛り上げたい」 日光出身・在住の女性漫画家、一葵さやかさん(39) 地域で輝く
「ススメ!栃木部」など、栃木県を舞台にした数々の漫画作品を生み出してきた。現在は、同県日光市の高校に愛車の「MINI」で通う女子高生・神坂いろはが主人公の「いろはドライブ」を連載している。日光の名産や名所、自然が登場する学園ドライブコメディーで、栃木の魅力発信にも一役買っている。 幼いころから絵を描くのが好きだった。「美少女戦士セーラームーン」にハマり、「アニメよりも原作の漫画が好きで、私も描きたい」と漫画家を夢見るようになった。高校在学中に漫画雑誌社のマンガ大賞に応募し、奨励賞を受賞。複数の漫画家の作品を集めて1冊にする「アンソロジー」での執筆経験を経て、平成20年に「コスちゅ!」で漫画家デビューした。 故郷である栃木をテーマに据えた漫画を描こうと思い始めたのは約10年前。毎年発表される都道府県魅力度ランキングで、栃木がいつも下位に沈んでいることに心を痛めた。「栃木は都心に近いし、自然があふれ、世界遺産もある。まちと自然が、いい度合いで共存している。漫画を通じて、栃木の魅力を発信し盛り上げたい」という思いが強くなっていった。 「やっぱり栃木が好き。ずっと暮らしていて(そう)感じる。漫画家になってからも、東京に行こうとは思わなかった」と言い切る。これからも、日光で漫画を描き続ける。「漫画家として、地元・栃木を強みに漫画を描き、栃木のすばらしさを伝えていきたい」(伊沢利幸) ■いつき・さやか 昭和60年11月生まれ。栃木県日光市出身・在住。県立鹿沼東高に在学中、漫画雑誌社のマンガ大賞で奨励賞を受賞。平成20年に「コスちゅ!」で漫画家デビュー。県の「とちぎ未来大使」、下野市の「輝け下野エール大使」。文星芸術大非常勤講師も務める。