「今日はちょっと緊張してる(笑)」6年ぶりの奥田民生との共演で矢野顕子が話したこと「私が好きなところは変わらないし、これからもずっと好きだと思いますよ」
〈「人間は孤独です。それを彼の曲から強く感じます」矢野顕子が何回もリピートした奥田民生の“名曲”「これは私が歌う曲だと思いました」〉 から続く 【写真】この記事の写真を見る(8枚) 約25年前の初共演以来、数々のステージを共にしてきた矢野顕子。9月に行われたばかりのライブ『矢野顕子×奥田民生 SMA 50th Anniversary presents「ラーメン★ライダー」』を振り返り、そして奥田民生の変わらない魅力を尋ねた。(全2回の後編/ 前編 を読む) ◆◆◆
「いろんな人とやりなさい」
――矢野さんと民生さんは「Beautiful Songs」ツアー(2000)や「さとがえるコンサート」(2013、2018)、「ふたりでジャンボリー」(2016)といったライブで共演してきました。「Beautiful Songs」の時には、「いろんな人とやりなさい」と矢野さんが民生さんにアドバイスされたそうですが。 矢野 それは彼だけじゃなくて、自分よりも年下の、日本でバンドをやっている人たちやシンガー・ソングライターの人たちにはそう思います。それぞれみんなよいものを持っていると思うんです。だけれどもたいていの場合は、自分が中学生の時から一緒にやってきた仲間だけとか、そこでずっとやっていく人が多いですね。 奥田さんのようにすごく才能のある人には、それ以外の要素……川でしか釣りをしてこなかったのなら、「ちょっと海にも出てみない?」って(笑)。なかばそれに近いことですよね。まあ、やってみたらみたいな。 実はそれだけじゃなくて、あと愛情があるので。本当に育ってほしいと思っていたし、いまも思っているんです。若い人たちにはいまだにそう思いますけど、最近だと上から目線でどうのとか、パワハラとか言われちゃうのかもしれない(笑)。
民生さんに対して感じていた“愛情”
――民生さんに対して、ミュージシャンとしても、ひとりの人間としても愛すべきものを感じてきた、ということですよね。 矢野 だってその人に対して愛情を感じていなければ、そんなこと言わないでしょう、人は。どうでもよかったら言わないですよ。言いすぎる時もありますけど、私の場合は(笑)。