「今日はちょっと緊張してる(笑)」6年ぶりの奥田民生との共演で矢野顕子が話したこと「私が好きなところは変わらないし、これからもずっと好きだと思いますよ」
私のいちばん好きなところは変わってない
――今年9月に行われた民生さんとの対バンライブは、6年ぶりとなるライブでの共演でした。MCで矢野さんは「今日は緊張してる」と話していましたが、それは久しぶりの共演だったからですか? 矢野 私がコードを覚えられていない曲があったので、それで緊張してるって。ちょっと謙遜して言いました(笑)。 ――2000年のジァン・ジァンから始まって、これまで20年以上にわたりライブやレコーディングで共演されてきましたが、矢野さんから見て民生さんにはどんな変化がありましたか? 矢野 あまり感じてないですね、変化は。私のいちばん好きなところは変わってないと思います。 ――20年ものあいだ変化がないというのは、きっと稀有なことなんでしょうね。 矢野 そうじゃない? ご本人の中ではいろいろ変化があるっていうのは当然だと思いますけど、私と奥田さんはきっと合うと思ったようなところは変わってないですよね。だからこれからもずっと私は好きだと思いますよ。 ――民生さんと共演してきた約20年のあいだに、矢野さん自身はどう変化してきましたか? 矢野 いろいろ衰えてきてるっていうこと。それからあとなんだろうね、根気が続かないとか。あんまりたいした進歩がない(笑)。ただやりたいことがいつもはっきりしているので、それに対する執着はむしろ強くなってるんじゃないかと思います。
――正直なところ、衰えは微塵も感じませんが、ただ矢野さんや民生さんのように第一線で長年活躍しつづけることは、生半可にはできませんよね? 矢野 そうでしょうね。私の場合は、ただやりたいことをやりつづけるっていう、とても簡単なことで、秘訣もなにもないですね。でもそのためには、じゃあ矢野顕子にやらせてやろうという助けがないとできないですから。しかもね、日本には住んでいないし。いろいろと制約がある中で、でも矢野の音楽のために協力してあげようというスタッフがいてくれることがいちばん大きいんじゃないかな。