群島内の8組が「島サバクリ」発表 沖永良部島 次世代へつなぐ思い語る
鹿児島県奄美群島で地域おこしや課題解決に取り組んでいる人々が活動内容や体験談を発表する「島サバクリエイティヴGCD(ガシド)トークショー」(奄美群島広域事務組合主催)が22日、知名町フローラル館で開催された。群島各地の8組が登壇。伝統芸能の継承や自然環境保全の取り組みなどを通して、次世代へつなぐ思いを熱く語り、来場した約40人が熱心に耳を傾けた。 群島成長戦略ビジョンに基づくチャレンジ人材交流連携促進事業の一環で、11回目。各組がプレゼンテーション形式で発表した後、来場者は司会者の呼び掛けに応じ、親指を立てながら沖永良部島方言で「ガンドー(そうだね)」と発表への共感を伝えた。 県立沖永良部高校エイサー部は9人による迫力ある演舞披露の後、同部の活動を紹介。「これからも沖永良部島の文化を守り、発展させるために努力していく。エイサーは私たちの誇りであり、その伝統を次の世代に伝えることが私たちの使命」と訴えた。 天城町の麓正高さんはトラクター事故で重傷を負った経験を機に、「生かされていることを大事にしたい」と一念発起。古い牛舎をリノベーションしてイタリアンレストランを開業したほか、仲間と共にチャリティーイベントを主催していることなどを報告した。 喜界町の泰田博也さんは本土でのプロダンサー、役者、映像作家などの経験を経て2024年3月に喜界島へUターン。島の情報発信やダンススクールを始めた経緯を語り、「エンターテインメントの島にしたい。子どもたちが夢をかなえられる環境をつくっていきたい」と力を込めた。 与論町の池田香菜さんはサンゴ礁保全の取り組みを報告。畑の周りへ根の強く張る植物を帯状に植えていく「グリーンベルト」による赤土流出対策などを説明し、「子どもたちがいいなと思える島の環境づくりをしていきたい」と語った。 このほか、沖永良部島の飲食店経営・後藤健太さんと地域おこし団体「シマスキ」代表の窪田貴史さん、奄美大島の宇検村企画観光課マット・プライドさんと学生団体Annacoto(アンナコト)が発表した。 会場では各島の地域資源を素材とした商品の展示販売もあった。