今季もあるか!? J1、奇跡の大逆転残留を果たしたクラブ(6)驚異的な挽回も…。スター軍団なら当たり前?
今季の明治安田J1リーグはクライマックスに近づいている。すでにサガン鳥栖のJ2降格が決まった「残留争い」はさらに熾烈さを極め、最終節まで予断を許さない状況だ。どんなに厳しい条件でも望みがある限り、J1残留を諦めてはいけない。今回は、J2降格が濃厚と思われる状況から逆転残留に成功し、伝説となったクラブを紹介する。※成績はデータサイト『Transfermarkt』を参照
ヴィッセル神戸(2022年) 監督:三浦淳寛→ミゲル・アンヘル・ロティーナ→吉田孝行 いまや和製銀河系軍団としてその名を轟かせているヴィッセル神戸だが、彼らが2022年にJ2降格の憂き目にあっていたことを覚えているだろうか。 2021シーズン、神戸はクラブ史上最高成績となるJ1リーグ3位フィニッシュに成功。スカッドにはアンドレス・イニエスタ、大迫勇也、武藤嘉紀をはじめとする代表クラスの実力者が名を連ねており、来季のさらなる躍進に期待がかかっていた。 しかし、いざ蓋を開けてみると、神戸は2022シーズン開幕から低調なスタートを切る。開幕戦となった名古屋グランパス戦を0-2で落とすと、そこから12試合連続未勝利という悪夢に突入。降格圏を彷徨う時間が続く。 3月には三浦淳寛監督が解任となり、4月にミゲル・アンヘル・ロティーナ監督が就任。だが、新監督の下でもチームは浮上することはできず、6月にロティーナ監督は解任に。吉田孝行が後任に就いた。 クラブOBに導かれ、チームは本来の力を徐々に取り戻し始める。吉田監督就任後、神戸はリーグ戦3連勝を達成。その後も勝利を積み重ね、ついに第26節終了後に降格圏を脱した。 最終的に、シーズンラスト2試合で黒星を喫したものの神戸は勝ち点40の13位でJ1残留を決めている。 このシーズン、神戸がリーグ戦15試合消化時点で積み重ねた勝ち点はわずか8。同様の条件で勝ち点1ケタ台から残留を果たしたクラブは、過去に2クラブ(ジェフユナイテッド千葉と名古屋グランパス)しかない。そういう意味でも、2022シーズンの神戸が見せた挽回は「奇跡」に近いものだったと言えるだろう。
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