紺野美沙子さんの意外すぎる現在の愛車とは? イケイケだった頃の真っ赤なベンツとの思い出などを語る(後編)
“SUV乗り”になったきっかけ
92年、紺野さんは結婚して家族と暮らすようになる。 「結婚した当初、夫は日産の『テラノ』に乗っていて、その後、中古の『レンジローバー』を手に入れました。ああいう、背の高い四駆のクルマが好きみたいですね。しばらくは私のCクラスと2台が家にあったんですが、でもあるとき、クルマが家に2台あるのも不経済じゃないか? という話になったんです。1台にするなら少し大きいほうがいいだろう、ということで、ベンツの『Mクラス』1台で生活するようになりました」 メルセデス・ベンツのMクラスは、1997年に初代モデルがデビュー。2005年に第2世代、2011年に第3世代へと移行し、第3世代がマイナーチェンジ受けた2015年より、GLEに名称を変更している。 ちなみに、第3世代のMクラスは、ダイムラー・クライスラー時代に企画されたため、ジープの「グランドチェロキー」(WK2 型)をプラットフォームなどの一部を共用している。一部のクルマ好きの間では、“メルセデスの息がかかったグラチェロ”の人気が高いという。 紺野さんの話に戻ろう。 「Mクラスとは長い付き合いで、15年ほどの間に2台を乗り継ぎました。最初はシートの位置が高くて運転できるか不安で、慣れるまでは大きさにも苦労しましたが、いざ乗ってみると運転しやすくて、とてもいいクルマでした。あと、いままでに乗っていたクルマよりも、はるかに豪華だと感じましたね(笑)」 その後、紺野さんのパートナーは公募で選ばれ、2020年に富山県氷見市の副市長に就任した。現在は、紺野さんも1年の3分の1を氷見で暮らしているという。 「Mクラスは氷見には連れて行かないことになって、道路事情や積雪を考えて、スズキの『ジムニー・シエラ』を選びました。それがいまの愛車で、うちのジムニーはベージュです。生産が追いつかないということで、納車まで1年以上は待ちましたね」 現行ジムニー・シエラは2018年に登場した。シエラが1.5リッターエンジンを搭載するのに対し、標準のジムニーは0.66リッターエンジン搭載の軽四輪駆動車だ。ちなみに、ジムニーシエラは、77年に発売された0.8リッターのジムニー8を原点とする。 「いざ乗ってみたら、コンパクトで軽快、乗りやすいし、人気の理由がわかったような気がしました。そんなにガンガンスピードが出るクルマではないけれど、雪が積もった山道でも安全に走ってくれる、頼もしい存在です」 前編に紹介したように、紺野さんの最初と2番目の愛車は、飾りっ気のないトヨタ・カムリとフォルクスワーゲン・サンタナだった。 今ふたたび、機能優先で質実剛健なジムニー・シエラに乗っているというのが、一周して戻ってきたようでおもしろい。 やはりクルマ選びは、人柄をあらわすのだ。