異例のツアー2勝。PGA新人賞プロの武器はパッティング力。その独特のグリップとは
学生ゴルファーの活躍は続くか?
ダンラップのように大学生ながら、PGAツアーで活躍選手が増えている。 2024年7月にはフロリダ大学の学生ゴルファー、21歳のルーク・クラントンがロケットモーゲージクラシックで10位タイとなり、翌週のジョンディアクラシックでは優勝争いに加わり、惜しくも2位タイとなった。 アマチュアが2試合連続でベスト10に入ったのは、1958年のビリー・ジョー・パットン以来66年ぶり。タイガー・ウッズでさえできなかった快挙だ。 その後もフェデックスカップ・フォール最終戦のザ・RSMクラシックで1打差の2位タイに入るなど、8試合出場して7試合で予選通過し、ベスト10を4回記録するという好成績を残した。 ダンラップのようにPGAツアーでアマチュアとして活躍してプロ転向するルート以外にも、大学ランキング1位の選手にはPGAツアーのシード権が与えられる「PGAツアーユニバーシティ」制度を用意するなど、PGAツアーは若い選手にチャンスを与えている。 さまざまなルートからダンラップに続く若手選手が現れることだろう。
クロスハンドで安定したパッティング
ダンラップはパッティングを得意としているが、パッティンググリップはクロスハンドを採用している。 クロスハンドグリップは、右利きであれば左手が下で右手が上になる逆手の握り方だ。このグリップにすることで、利き手の右手が使いにくくなるので、右手の動きを抑えて体の動きでストロークをコントロールすることができる。 クロスハンドグリップのポイントは、左サイドをパターと一体化するように握り、体と腕のシンクロを高めることだ。これにより上半身の回転と腕の動きを連動させやすくなり、ストロークの再現性が高まる。 右手は軽く添える程度にして、右サイドを使いすぎないように意識してほしい。 クロスハンドグリップは、右手の動きを抑えることが第一の目的だが、ほかにもメリットがある。 左手を下にすることで左肩が下がるため、両肩の高さを地面と水平に保ちやすい。それによって目線が変わるため、右肩が下がって右を向いていた人は目標に対してスクエアに目線をセットしやすくなる利点がある。 パッティングが手打ちになって安定しない人は、一度ダンラップのようにクロスハンドグリップを試してみてほしい。パッティングの再現性が高まり、精度も高まることだろう。
TEXT=吉田洋一郎