【防災美容グッズ】イザという時にも役立つ!ドライシャンプー、拭き取りローションほか
防災月間の9月は、備えを見直すよき機会。水がなくても使えるヘア&スキンケアアイテムをはじめ、日常でも使えて、イザという時にも役立つ“防災美容”グッズを、美容エディターの伊熊奈美が厳選紹介 【写真】おすすめ防災美容グッズ7選
■頼れる美容グッズは、暮らしの中で“美”蓄を 静岡県出身の私は、幼少期からことあるごとに東海地震に関する知識と行動をたたきこまれてきた。静岡県民の防災意識は、マンガ『ちびまる子ちゃん』の「避難訓練に余念のない県民」のエピソードに詳しいが、あの内容は県下全体で行われていた事実である。小学生時代、私は防災頭巾を常に学校のイスの背中に取り付けていたし、下の学年の子たちは、毎日ヘルメットをかぶって登校していた。 それから数十年。あれほど恐れていた東海地震は来なかったものの、日本列島の各所で大規模な地震がいくつも起こった。建物の倒壊や津波で多くの方々が亡くなられ、命が助かっても厳しい生活を強いられている現実を全国民が目の当たりにし、東海地震をさらにスケールアップした「南海トラフ地震」への注意喚起が声高になされるようになった。にもかかわらず、私は「あんなに恐れていた東海地震は来ていない」という勝手な結論ゆえについ最近まで「そう簡単にはこないだろう」という、正常性バイアスとやらにどっぷり浸かっていた。 しかし。今年の夏、そんなバイアスを直す必要を感じた。私たちはいま、地震をはじめさまざまな災害と隣り合わせにある日常を生きているのだ。備えながら、日々を暮らす。防災準備は日常のこと。私も改めて静岡で育まれた防災意識を復活させ、自らの備えを見直してみた。 ■災害時のQOLを改めて考えてみる 私が普段から愛用している、炭酸シャワー美容液「エステシモ セルサート リウェイク シャワー」を販売しているタカラベルモントから届いたニュースレターには、同商品を取り扱っている、能登の穴水地区の美容室『Hair&Spa salon MANA』オーナーの中瀬智明さんのお話が掲載されており、実に勉強になった。 「災害支援の第1フェーズは命を繋ぐ支援。そして第2フェーズで大切なのは、被災後、避難所で続く生活のQOLを高めること。美容は人々の生きる力を支えQOLを高めてくれます。だから、防災グッズの中に、QOL視点でのアイテムをひとつ準備しておくと良いと思います」(『Hair&Spa salon MANA』オーナー中瀬智明さん/タカラベルモント株式会社プレスリリースより) 水道が復旧しなければ、手洗いも洗顔も風呂も不自由になり、体の清潔を保つことも困難になる。発災後、しばらくして中瀬さんは、水無しでも頭皮に爽快感をもたらす「エステシモ セルサート リウェイク シャワー」が、『炭酸で頭皮につけた時、気持ちがいい。これをドライシャンプー代わりに届けたら喜ばれるのではないか?』と考え、同商品の配布を、販売元のタカラベルモントに依頼。実際に約1200本が被災地に届けられたという。 現在、通常営業に戻ったサロンでは、避難生活が長引いた顧客より「頭皮がかゆい」「ブツブツができた」などの多くの悩みも寄せられているという。長期間、髪が洗えないことで、酸化した皮脂が蓄積して起こってしまったと考えられるという。命に直結する疾患ではないが、かゆみや傷みは精神的なストレスにもなるだろう。 こうした現地の貴重な声を念頭に置き、私自身が愛用しているものを中心に、イザというときにも体や髪を清潔に保てるものや、ほんの少しでもQOLを高めてくれるような “防災美容のアイテム”を検討してみた。非常時だからこそ、使い慣れたものが安心感につながる。必要なものは個人によって違うはずだ。9月の防災月間をきっかけに、想像力を働かせて非常時に対応できる準備をしてみてほしい。