ORCALANDインタビュー『ナワバリロックフェスティバル』開催に向けて「史上最大の挑戦であり、これまでの集大成だと思ってます」
――そして、2023年は『ジントリ』というなかなか無茶な自主企画を開催していきましたね。12カ月連続での自主企画、周りからは止められそうな試みですけど、そもそもどうしてやってみようと思ったんですか? 大塚 自分たちは東京・下北沢をホームに活動してます、って言ってはいたんですけど、「下北沢でまだまだ知られてなくね?」みたいな感覚もあったんですよね。だから、もうORCALANDと言えば下北沢、下北沢のロックバンドと言えばORCALANDと言われるようにやってみよう、と。企画のタイトルも陣を取るというところから『ジントリ』にして。 ――ただ、連続でやる自主企画って普通は地域を変えますよね。同じ土地というか、同じ街でやったのもすごいと感じました。 大塚 そこは下北沢のバンドになりたい、っていう脳筋的な(笑)。 こーてぃん 片っ端から出るぐらいしか、僕ら思いつかないんですよ(笑)。 ――ツーマン、対バン、サーキットイベント、最後は初ワンマンと様々な形式で開催をして、声をかけるバンドの数も相当でしたよね。 村田 しかも、ひとつも被せたくなくて。月毎にコンセプトがあったから、このアーティストは絶対この月に出てほしい、とかもありましたね。 ――加えて、2023年はリリースも結構していたじゃないですか。 おとやん リリースもしていましたし、遠征にも行きまくっていて。毎月、下北沢で企画をやるので、それ以外のライブはできるだけ地方へ行こうとしていたんです。 ――ただ、そういったハードスケジュールを乗り越えると、バンドとして強くなったところもあったんじゃないか、と。 こーてぃん そうでしたね。僕、ドラマーなんで後ろからメンバーを見てるわけですけど、大塚は結構緊張しいだったんですよ。あからさまに声が震えることもあったぐらい。でも、12カ月連続企画ってことは、12回トリを経験することでもあって。そこでめっちゃ度胸がついたんじゃないかな、って。 大塚 気づいていなかったけど、たしかにそうだわ。 ――そして、『ジントリ』から続く形で同じく下北沢にて2会場を使った『ナワバリロックフェスティバル 2024』が開催されます。振り返ってみれば、『ジントリ』の各月のフライヤーに「二〇二四年縄張拳祭開催」の11文字が1文字ずつ掲載されていたそうですね。 大塚 しれっと乗せていました(笑)。そういうのが好きなので、やっぱり。 ――ということは、かなり以前から目標にしていたということでしょうか? 村田 元々『ジントリ』は「下北沢でサーキットフェスを主催したい」という目標のために始めた企画でした。なので「ナワバリロックフェスティバル」を開催することは『ジントリ』を始める時から決めていました。ただ、『ジントリ』が終わったタイミングで「僕らが本当にやりたいことは何だろう?」って考えたんです。そのとき、たくさんバンドを呼ぶサーキットイベントもやりたいことではあったんですけど、それ以上にフェスがやりたいな、と気づいて。メンバー4人で事務所の先輩の04 Limited Sazabysが主催している『YON FES』を観に行かせてもらったり、『ジントリ』の経験も踏まえて、『ナワバリロックフェスティバル 2024』の形が定まっていきました。 おとやん バーっと広くやるよりもドーンって深くやる方が祭りっぽい気もするんですよ下北沢ってサーキットイベントみたいなのはいくつもあるし、自分たちっぽいモノにしたいとなったら、みんなで一緒にお祭りをしたい、って感覚が強かったですね。 ――現時点でいくつか出演者が発表されています。せっかくなので、簡単に紹介をしていただければと思います。ADRIFTに出演するバンドからお願いしたいのですが、まずはWienners(ウィーナーズ)を。 大塚 Wiennersはすごく昔からずっとずっと好きで、東京の主催ライブは観に行けるときは全部行っているぐらいなんです。ジャンルレスって言われるけど、Wiennersっていうジャンル感を確立しているし、自分にとってブレない目標というか。恐れ多くてなかなか声をかけられなかったんですけど(笑)、今回はお願いをしました。 こーてぃん 大学生のときに大塚からWiennersを聴かせてもらって、一緒にコピーもしてたぐらいなんですよ。 ――では、anewhite(アンホワイト)はいかがですか? 大塚 普通に好きでずっと聴いてまして、『ジントリ』やリリース対バンツアーでもお声がけはさせてもらっていたんですけど、なかなかタイミングが合わず。今回、ようやく合ったな、って。 村田 完全に初対バンですね。 おとやん メンバー一同いずれ対バンしたいと強く思っていたので、やっと、という感じです。 ――そして、MOSHIMO(モシモ)。 おとやん 音楽的な方向性が近いなと感じていまして。「テレキャスター・ヒーロー」を出したぐらいから、一緒にやってみたいという気持ちがあったんですよ。 ――たしかに、熱だけじゃなくてユーモアもありますしね。 村田 あと、僕らの学生時代、MOSHIMOは全員が知ってるバンドだったんです。コピバンをやっていて、MOSHIMOを知らないとかありえないぐらい。MOSHIMOは雲の上というか。YouTubeで観る存在でしたし。