〈紅麴サプリ問題は終わっていない〉健康食品の安全と“正しい利用”へ、私たちがすべき7つの課題
新たな法律の必要性
多くの課題について述べたが、これらを解決するためには、健康食品は食品とも医薬品とも異なる独自の存在であることを認めること、健康食品が国民のセルフメディケーションの重要なツールであることを公式に認めること、そして、健康食品の利用法に関する消費者教育を行うことが必要である。 この難題を解決するには、「健康食品法(仮称)」を制定するしかないことは以前から議論されてきた。しかし、これは食薬区分の大原則を崩すことになるため反対も強い。第6の課題として、米国のサプリメント健康教育法を手本として、新たな法律の制定に踏み出すことを提言したい。
業界団体の役割
最後に、このような大きな課題をだれが解決するのかだ。それは政治と行政の役割だが、だれも何も言わなければ政治も行政も動かない。それを動かすのが業界団体の役割である。業界団体とは、業界全体の健全な発展を目指して共通の目標を達成することを目的とする存在であり、業界全体の利益を守るために規制や政策の提言を行うことで問題解決を図ることがその任務である。 第7の課題として、業界団体が健康食品の多くの問題の解決に全力で取り組むことを提言したい。
唐木英明