公務員も会社員と同様に「加給年金」を受け取れるのでしょうか?金額には違いがありますか?
厚生年金の加入者は65歳になると老齢厚生年金を受給できますが、これとは別に一定の条件を満たしている人がもらえる「加給年金」というものがあります。 厚生年金に加入するのは基本的に会社員なので、公務員として働いている人は受け取れないのか疑問に思うこともあるかもしれません。本記事では、加給年金の解説や条件とともに、公務員の受給についても詳しくご紹介します。 ▼「公務員は安定している」って本当? 定年退職の割合や退職金の平均額を教えて!
加給年金とは?
加給年金とは、老齢厚生年金を受給する権利が発生した方に生計を維持する配偶者や子がいる場合に加算して受給されるものです。年金額については、表1のようになっています。
出典:日本年金機構「加給年金額と振替加算」を基に筆者作成 子については、1級・2級の障害の状態にある20歳未満の子も含まれます。また、配偶者の加給年金には「特別加算」があるため、確認しておくといいでしょう。年金受給者の年齢が若いほど加算金額が大きくなる仕組みです。 加給年金は決まった年齢になると自動的に支給されるというものではなく届け出が必要な場合があるため、お近くの年金事務所などへ問い合わせてみましょう。
加給年金は公務員も受け取れる?
日本の年金制度は「国民年金」と「厚生年金」の2階建て構造になっており、20歳以上の全国民は国民年金に加入する義務があります。これにくわえて会社員は厚生年金に加入することになっていますが、以前まで公務員や私学教職員は厚生年金の代わりに共済年金に加入していました。 しかし、2015年には被用者年金制度が一元化され、公務員や私学職員も厚生年金に加入することになったのです。これにより、保険料率や給付内容も会社員と同様になりました。 そのため、公務員も条件をクリアしていれば、会社員と同様の金額の加給年金を受け取ることが可能であると考えられます。
加給年金を受け取るための条件
加給年金を受け取れるのは、厚生年金保険の加入期間が20年以上あり、65歳に達したときに表1に該当する配偶者や子がいる方です。または、共済組合などの加入期間を除いた厚生年金の被保険者期間が40歳(女性と坑内員・船員は35歳)以降、15年から19年ある方も受け取れるようです。 「生計維持」とは、同居している場合以外にも、別居していても仕送りをしていたり、健康保険の扶養親族であったりする場合が該当します。さらに、配偶者や子の前年の収入が850万円未満、または所得が655万5000円未満という収入要件を満たしていなければなりません。 配偶者と子が上記の年齢制限に該当しなくなったときに、加算されなくなります。また、離婚や死亡などにより生計を維持することがなくなったときも同様です。