大学生と高校生による女子野球交流試合「長崎県対馬市で彼女たちが得たものとは」
~対馬の人々は世話好きが多い
交流試合開催に向け、対馬市側の業務を担っていた中の1人が対馬市観光商工課・永留史彦氏。「顔の見える関係作り」を常に大事にしながら動いている。 「長崎県内でも壱岐や五島に比べれば、対馬は渡航費も時間もかかります。それでも来てくれるわけですから可能な限り手厚くサポートしたい。球場への送迎もホテル側が喜んでやってくれる。試合の審判団もボランティアで引き受けてくれた。選手たちが全力プレーできるように、少しでも力になれればと誰もが思ってくれています」 「昔から『対馬の人は商売下手だ』と言われます。『対馬の人は港に船が入ると、買ってくれではなく、良かったら持っていけと品を差し出す』と例えられるほど。今でも海で魚を取った人が山側の人に差し上げる風習もあります」 対馬の人々に脈々と流れている「世話好き」の思いが、今回の交流試合がスムーズに行われて、選手、関係者が喜んで島を後にしたことに繋がったのだろう。 「スポーツ合宿や交流試合は前からやりたいと思っていました。コロナ禍になり韓国からの観光客がいなくなったことで、来島客の多様化を図りたいと考え、スポーツでの交流に特化しようと考えました。対馬に無くて他にあるものを追っかけるのではなく、『人の繋がり』を辿って今回も実現まで辿り着けました」 「『対馬にしかないものがある』と感じてもらい、来島した価値を見出していただければ…。人の繋がり、自然との共生を感じる食、そしてSDGsへの積極的な取り組み等は対馬が誇れるものです。そういう部分を来ていただいた方々に少しでも感じてもらえれば本当に嬉しいです」
~女子ということを忘れるほどのレベルの高さ
「対馬は何度訪れても本当に素晴らしい場所。今回も楽しみにしていました」と語るのは、ソフトバンクのレジェンド右腕・攝津正氏。数年前からプライベートで対馬を訪れ、趣味の釣りを楽しんだりしている。今回はチームメートだった吉村裕基氏と2人で来島、試合後には短時間ながらも両チーム選手へクリニックも開催した。 「縁があって対馬の野球関係者の方々と出会え、地元の長所や短所、課題を聞くことができました。素晴らしい環境だし、可能性をたくさん秘めた場所です。今回の交流試合をきっかけにスポーツがもっと盛り上がって欲しいと思います」(攝津氏) 「初めて来ましたが、福岡から想像以上に近くて驚きました。12月なので風は冷たいですが、日差しは強いので昼間なら野球を十分にできる。年間を通じて練習や試合ができる素晴らしい環境なので、もっともっと知られて欲しい場所です」(吉村氏)