日本型コンビニ 米国食文化の3大チェーンの脅威になる?
例えばフライドチキン。かつては「フライドチキンといえば、ケンタッキー」と言われた。しかし、ファミリーマートが2001年に店内で揚げる「ファミチキ」の販売を開始、10年間で7.2億個を売り上げた。その後、ローソンの「Lチキ」など、各社が追随。最近はスパイスなどに工夫を凝らし、プレミアム、黄金などと銘打った高級チキンも登場、好調な売り上げを記録している。 また、スイーツ類の伸長も著しい。ローソンのプレミアムロールケーキは、2009年9月の発売からわずか半年で1800万個以上を売り上げ、コンビニスイーツとして初めて世界的な食品コンテストのモンドセレクションで金賞を受賞。これに負けじと、各社がスイーツ開発にしのぎを削り、今やコンビニ各社のスイーツコーナーは専門店のような充実ぶり。ドーナツが主力のミスドにとっては厳しい状況だ。ハンバーガーと競合するお弁当、おにぎり類の充実ぶりは言うまでもない。 さらには、コンビニ各社がコーヒー専門店を意識した低価格のいれたてコーヒー販売を2013年から相次いで開始し、爆発的なヒットを記録しているのは記憶に新しい。極めつけは、最近コンビニ各社が店内に設置を増やしているイートインコーナーだ。魅力的な商品をコンビニで買ってすぐ飲み食いできる場が増えるとなれば、手軽においしくお腹を満たせることを売りにしてきた上記の三大チェーンには大きな脅威になりそうだ。 アメリカ発祥のセブンイレブンも含め、日本国内のコンビニは細やかなサービスと商品開発で各社が切磋琢磨し、独自の進化を遂げてきた。復活を期すアメリカ発祥の老舗三大チェーンも、このまま手をこまねいていないだろう。生き残りをかけた両陣営の争いは激しさを増すのは必至。当事者は大変に違いないが、商品やサービスを享受できる消費者にとっては、今後の新しい展開が楽しみでもある。 (文責・坂本宗之祐)