栄養は1週間単位で見る。台所に立たない日があってもいい。70代の壁を乗り越える《5つの手抜き料理法》とこれだけで味が決まる万能調味料レシピ
テレビ番組で紹介したレシピが簡単でおいしいと評判を呼んだ、《スーパー主婦》こと足立洋子さん。「食事作りはラクに効率よく」を実践する料理家が、コツとワザを伝授します(構成=福永妙子 撮影=山田耕司 イラスト=宮下和) たんぱく質不足を補う「大豆とレーズン煮」 * * * * * * * ◆食べないよりは食べたほうがマシ 私は長く料理講師を務めており、「バランスよく食べましょう」と呼びかけてきました。かつては「1日30品目」が推奨されていましたが、そんなに摂るのは大変なこと。そこで今はこう考えます。 《その3》栄養は1週間単位で摂れていればOKたとえば、野菜は1日350グラム必要といわれますが、葉物野菜だけでは必要量に達しません。私は野菜が足りていないなと感じたら、大根、白菜、キャベツ、芋、玉ねぎ、人参など重さのある野菜で作った料理を食べるようにしています。おでんの大根は、なんと1切れ100グラムもあるんですよ。 また、大豆製品は1日に80グラム摂取するのが理想ですが、味噌汁で10グラム、あとの70グラムはどうしよう……と毎日頭を悩ませるよりも、150グラムのお豆腐を主菜にする日を作って、1日でドーンと摂ればいい。 ちょっと変わったところでは、大好物の「大豆とレーズン煮」をストック。食事におやつにと、ちょこちょこ食べています。 私自身、気付くと肉や魚を食べていないことが増えてきました。けれど、神経質になる必要はありません。スパゲッティや焼きそばを作る時に、玉ねぎ、人参、ピーマン、それにウインナーや豚肉を入れれば、栄養バランスの点では十分。 こんなふうに、食べないよりは食べたほうがマシと考えることで、気持ちも料理の手間も随分ラクになるはずです。
《その4》使い勝手で調理器具を見直す料理を効率的にするには、調理器具も重要です。日々台所に立ちながら思ったのは、鍋は口径18センチと16センチの2つがあれば十分だということ。年齢を重ねると、重い鍋は使うのも洗うのも大変になってきます。私も最近、母の代から使ってきた無水鍋を手放す決断をしました。 次に、フライパン、ボウル、まな板は大きいものがいいということ。小さいと、食材を炒める、混ぜる、切るなどの作業中にはみ出したり、飛び散ったりしてストレスですし、無駄な動きが増えてしまいます。逆に、揚げ物をする鍋は直径が小さく高さがあるほうが油も少量で済み、火の通りも早いですよ。 《その5》台所に立たない日があってもいい最後に、食事に対する考え方について皆さんにお伝えしたいことがあります。 同年代の方と話していると、料理に対して「手作りがいちばん」「品数は多いほうがいい」などと、真面目に考えすぎている人が多いようです。 頑張れているうちはいいけれど、だんだんと体力も気力も低下していくのですから、もっと気楽に取り組んでもいいのではないでしょうか。野菜だって、カット野菜を使ってもいいのです。 私も70歳を超え、「何も作りたくない」と思う日が定期的にやってくるようになりました。そんな時は無理せず、外食をしたり、市販のお惣菜や冷凍食品を食べるようにしています。長生き時代の今、考え方も柔軟かつ自由にして、食事を楽しんでいきたいですね。
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