“生きる力を信じる” 聴くことに徹する「いのちの電話」 命を救う相談ダイヤルが存続の危機
存続の危機…命の大切さを伝え続ける
開設から45年。 北海道いのちの電話はいま、大きな危機にさらされています。 (杉本明事務局長)「相談員の平均年齢が68歳~69歳なので、どうしたって自然減というのがある、どんどん減る分、相談員をしっかりと補っていかないと、今後の継続・存続が危ぶまれる状況」
北海道いのちの電話の相談員は、平均年齢が68歳と高齢化が進んでいて、実稼働できる相談員の数は年々減少しています。 今の相談員は180人ほどですが、仕事や病気などの事情でシフトに入れるのは7割ほどだと言います。 全てのブースが埋まらない時間帯もあり、年間30万件の着信に対し、電話を受けられるのはわずか5パーセントです。
この日、杉本さんの姿は札幌市内の高校にありました。 若い世代にアピールしたいと、2022年から続けている「こころのライブ授業」です。 札幌のロックバンド「ナイトdeライト」が希望の歌をー 自殺の問題、そして命の大切さを杉本さんが講演します。 高校生に明るく伝えるのが持ち味です。
(杉本明事務局長)「お願いがあります。自分を大切にしてほしい。同じようにほかの人も大切にしてほしいと思います。きっとそうすると自分も、大切にされると考えています。人には生きる力がある、解決する力がある。自分だけで抱えることを避けてください。誰かに話をしてください。もし相談を持ち掛けられたら聞いてほしい」 (高校生)「悩んだら誰かに相談して、自分で抱え込まないようにしようと思いました」 (高校生)「時間をかけて何があったかを聞いて、相談にのってあげられるようになりたい」 (高校生)「自分ひとりで抱え込まずに周りに相談したり、周りの人が悩みを持っていたら、自分が聞いてあげて寄り添ってあげられる立場になりたい」
杉本さんが思ういのちの電話の原点。 それは「生きる力を信じる」ことです。 (杉本明事務局長)「可能性はみんなに平等にある。何かしら悩みや辛いことがあって心が沈んでいても、誰かと人とかかわれば元気になれる、元気になる姿に感動します」 人のあたたかさを伝え、受け止め続けるいのちの電話は、いまこの時も助けを求める人たちとつながっています。 北海道いのちの電話・相談用ダイヤル(011-231-4343)