宮藤官九郎さん『あまちゃん』の次は「南三陸」 タコとけん玉で東北を元気にする仕掛け
北三陸を舞台にした「あまちゃん」の脚本家・宮藤官九郎さんが、今度は地元宮城県の南三陸町と連携して、東北を元気にする仕掛けを始めた。人気セレクトショップ「ビームス」ブランドの「ビーミング ライフストア」で、「南三陸復興ダコの会」とコラボレーションしたけん玉をプロデュース。南三陸の特産であるタコをモチーフにしたグッズも、自ら企画デザインしている。けん玉やタコグッズをデザインした意図、三陸や東北復興への思いを聞いた。
■タコとけん玉
「けん玉の形ってタコに似ているんですよ。けん玉の皿のところがタコの口や吸盤みたいで」 東北を舞台にしたNHK朝ドラ『あまちゃん』の脚本家として一大ブームを築いた宮藤さん。スタイリストの伊賀大介さんらと「ビームス」ブランドでけん玉をプロデュースした。「東北復興に絡めてということだったのでやってみようかな」という思いがきっかけだ。
けん玉は、もともとタコをイメージしてデザインしたという。ただ南三陸町がタコで有名だとは知らなかった。 「震災後に南三陸を訪れたときに知りました。また、母が南三陸で作っているんだよ、とオクトパス文鎮を送ってくれて、それも頭に引っかかっていて。それで、けん玉と言われたときにすっと思い出しました」 実際には、別案の「目玉」をモチーフにしたデザインが採用された。「最初は正面に目玉が描かれていました。玉を天地逆にして、黒く塗った胴の部分を穴に挿したら、目玉がシルクハットを被ってるように見えないかなと思って。『時計じかけのオレンジ』のビジュアルもそうだったなと思って提案しました」。それを伊賀さんが目玉を上にデザインして現在の形になった。 東北復興への思いを持つ宮藤さんだが、被災地とそれ以外の場所との意識の落差を感じることがあるという。地元の友人に聞くと、東北はまだまだ大変な状況で、東京で感じる情報とは全然違うと気づかされる。また震災直後と比べて復興支援のムードが沈静化しているのが気がかりだという。